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2021 Fiscal Year Research-status Report

存在論的な相互依存関係に関する基礎理論の整備と形而上学的諸問題への応用

Research Project

Project/Area Number 18K00014
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

鈴木 生郎  日本大学, 文理学部, 准教授 (40771473)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords存在論的依存 / 根拠づけ / 本質 / 同一性 / 種 / 形而上学 / 実体
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、相互的な存在論的依存(相互的根拠づけ)関係について理論的に整備するとともに、それをさまざまな形而上学的問題に応用することである。こうした目的を達成するために、2021年度は以下の研究を進めた。

(1) 前年度に引き続き、(A)ある対象が特定の種に属すること、その対象がその種の成員として典型的な性質を持つこと、その対象その種に属するものとして同一性を保つことの間の相互依存関係を明らかにすることによって、持続の形而上学における「根拠づけの問題」を解決する論文をまとめ、出版することを目指す。また、根拠づけ概念に関する研究の応用として、(B) 死の害悪についての「タイミング問題」に対する、いわゆる「死後説」(人は死によって生じる害を、死後に被るとする説)に、より十全な擁護を与える論文を執筆するとともに、新たに着想を得た論点として、(C) 時間の哲学における「現在主義」と呼ばれる立場に対して、持続の事実を根拠づけるものは何かということに関する困難があることを指摘する課題にも取り組む。

(2) 相互的根拠づけの概念に基づいて実体概念を解明する。特に、アリストテレス以来典型的な「実体」とみなされている中間的なサイズの対象が、その構成要素であるミクロな対象に対してどのような意味で「独立的」であると言えるのか、という問題意識のもとで、その独立性を相互依存関係のあり方から捉えることを目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度も、コロナウィルス流行に伴うさまざまな業務の変化や増加によって、十分に研究を進めることが困難であった。特に、(1)については、これまで準備してきた上述の(A)及び(B)の成果を完成させ、論文を投稿するに至らなかったことはきわめて残念であった。ただし、研究の新たな側面として、(C)のように、根拠づけに関する研究を時間論の問題に結びつける研究を進め、学会発表に結び付けられたことは収穫であったと言える。また、その成果は次年度論文として発表予定である。
また、(2)の実体に関する研究についてはまだ十分な成果に結びつけられてはいないが、「独立性」をどのように理解するべきかに関する問題意識をより明確化することができた。
以上を踏まえて本年度の進捗状況について「やや遅れている」と判断する。

Strategy for Future Research Activity

次年度は本研究課題の最終年度であることもあり、研究成果をまとめ公表することを中心的な目的とする。特に、上述の(A)~(C)に関する論文を発表することが最大の目標となる。(2)に関しても、研究内容について一定の成果が確認され次第、国内外で積極的に学会発表を行うことを目指す。また、本研究に関わる関連する話題として、循環性に関する近年の研究をさらに検討する予定である。

Causes of Carryover

本年度もコロナウィルス流行によって旅費の支出がまったくなかったため、次年度使用額が生じた。
本年度もオンライン開催の学会が増えることになるが、一部学会は対面で行う予定であり、そのための旅費を支出する。さらに、引き続きオンライン環境の整備のための物品費と、論文執筆のために必要となる書籍購入を中心に支出する。加えて、人件費として論文の英文校正および、研究会での発表に対す謝金等の支出も予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 現在主義と持続の理論2021

    • Author(s)
      鈴木生郎
    • Organizer
      科学哲学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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