2020 Fiscal Year Research-status Report
『オプス・ポストゥムム』の研究-フィヒテ、シェリング、『エーネジデムス』との関係
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18K00025
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 浩明 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90440932)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 『オプス・ポストゥムム』 / 初期ドイツ観念論 / 『エーネジデムス』 / ラインホルト / フィヒテ / シェリング |
Outline of Annual Research Achievements |
①当年度は、まずカントの遺稿である『オプス・ポストゥムム』と初期シェリングとの関係を究明するべく、「日本シェリング協会」で発表した論考を彫琢し、寄稿した。その際、『オプス・ポストゥムム』の初期草稿である自然哲学にも論究し、昨年度の発表原稿より研究範囲を広げつつ、しかも分かりやすいように加筆修正した点が特長である。
②次に、ラインホルト、シュルツェの『エーネジデムス』ならびにフィヒテとカント哲学との関係を解明すべく、『オプス・ポストゥムム』にも触れながら「日本カント協会」の共同討議(オンライン開催)において口頭発表を行った。限られた発表時間のなかで「カントと初期ドイツ観念論」という共同討議のテーマに即しつつ、ラインホルトと『エーネジデムス』に踏み込み、フィヒテと晩年のカント哲学との関係性を明らかにしたことが本口頭発表の意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本シェリング協会の原稿を彫琢しつつ完成させる一方で、シェリングを除く、ラインホルト、『エーネジデムス』、初期フィヒテ等のカントの晩年に台頭してくる哲学者たちとの思想的関係をより踏み込んで究明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
シュルツェの『エーネジデムス』については、いまだ論究できていない点を残しており、来年度は、この点をさらに究明しながら研究を進めてゆくつもりである。
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Causes of Carryover |
オンラインでの学会発表を行ったものの、新型コロナウィルスの影響によって、学会等の出張旅費の支出がなくなったことが次年度使用額が発生した主たる要因である。 新型コロナウィルスの収束が見通せない状況下において、哲学関連の書籍を中心に物品購入等にスタンスを切り替え、着実に研究を遂行する。
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Research Products
(2 results)