2021 Fiscal Year Research-status Report
Philosophical Practice for Educational Development in Developing Countries
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18K00041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 太郎 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50239571)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 哲学プラクティス / 哲学対話 / 子ども哲学 / 教育開発 / 国際協力 / 東南アジア哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19パンデミックのために予定していた海外出張が実施できず、現地(カンボジア、ミャンマー、タイ)で哲学プラクティスを普及し、共同研究を行うための活動ができなかった。したがって、旅費として計上していた予算は翌年度に繰り越すこととなった。代わりに今年度は、オンラインにより以下のような活動を行った。 (1)東南アジア哲学に関するオンライン学会(マレーシア、Universiti Malaysia Sabahがホスト)で2回に亘り報告を行った(1:'Southeast Asian Philosophy as Arena of World Philosophy', Philosophy of Religion in Southeast Asia, Persatuan Pendidikan Falsafah dan Pemikiran Malaysia, PPFPM, 17 April 2021; 2:'A Japanese Philosopher’s View of SEA during the WWII Time: The Philippines Through the Eyes of Kiyoshi Miki (1897-1945)', Philosophy in Southeast Asia, PiSeAS2, Persatuan Pendidikan Falsafah dan Pemikiran Malaysia, PPFPM, 18 December 2021)。これらの報告において、1:世界哲学の中で東南アジア哲学とは何かについて考究するとともに、2:第二次大戦期にフィリピンで従軍した三木清「東亜協同体」の思想について反省を行った。 (2)国際誌に論文を発表した('A History and Tradition of Philosophical Practice in Japan', Journal of Human Cognition, School of Philosophy and Sociology, Shanxi University; Interdisciplinary Platform for Philosophy and Cognitive Sciences, Renmin University of China, World Scientific Publishing House LTD, December 2021)。この論文では、大正~昭和初期の「生活綴り方」や戦後の「思想の科学」の運動が、日本に土着した哲学プラクティスの伝統的土壌を形成したことについて論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は昨年度と同様、COVID-19パンデミックのため予定していた海外出張が出来ず、現地(カンボジア、ミャンマー、タイ)で哲学プラクティスを普及し共同研究するた めの活動が一切行えなかった。また、ミャンマーではクーデターが発生し、その後は同国における活動は、オンラインも含めて中止せざるを得ない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、COVID-19パンデミックの収束を期待し、一昨年度及び昨年度に予定していた海外出張を実施し、カンボジアとタイで哲学プラ クティスの現地化と共同研究の活動を継続したい。また、本研究の課題である発展途上国における教育開発のための哲学プラクティスの研究を発展的に継承する かたちで、東南アジア哲学研究及び哲学プラクティスを通してSDGsを途上国で現地化するための教育開発と国際協力に関する予備調査を行う。 なお、東南アジア哲学研究に関しては、EuroSEA国際学会(6月29日~7月1日、パリで開催予定)に参加、報告する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度(令和3年度)はCOVID-19パンデミックのため予定していた海外出張を実施することができず、現地(カンボジア、ミャンマー、タイ)で哲学プラクティスを普及し、 共同研究するための活動が行えなかった。2022年度(令和4年度)は、COVID-19パンデミックの収束を待ち、海外出張が可能になり次第、予定していた現地での活動を行うこととする。あるいは、当年度も相変わらず海外出張が行えない場合、1)東南アジア哲学研究、2)日本国内で今後の開発モデルとなり得るような、哲学プラクティスによるSDGsへ向けた取り組みを推進するための教育開発と国際協力に関する調査研究を行うための費用に充てることとする。
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