2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of philosophy of language based on similarity and pattern recognition
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18K00045
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松阪 陽一 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (50244398)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 哲学 / 言語哲学 / 意味論 / 存在論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、パターン概念そのものの分析と共に、それを用いて、1.メタ意味論(Metasemantics)を再構築すること、 2. 語の存在論を再構築することにある。
本年度はメタ意味論に関して、慣習的記号の意味を意味のゲーム論的分析の観点から再考した。意味のゲーム論的な分析にはグライスやルイスに代表される合理的意図に基づくアプローチがあり、他方には、ミリカンやスカームズに代表される、進化や学習に基づくアプローチがある。両者の説明をその細部に立ち入って分析、対照することによって、これらは共通する説明の構造をもち、むしろ統一的な意味の説明の有用な部分として生かせるという知見が得られ、その成果を論文「意味と選択」として出版した。 またメタ意味論の基礎研究として、人間の言語活動を形成するパターンがそもそもどのようにしてできるのかを考察した。その成果である「進化と安定性──後期ウィトゲンシュタインの言語観」では、それをある種の規則の内化としてではなく、むしろ先行例の模倣から生じる多様性とそれに対する選択という観点から説明することを目指した。 語の存在論に関しては、カプランのもともとの論文の動機ともなっていた、生物に関する類型主義的(typological)なアプローチと進化論的アプローチを生物学の哲学の立ち返って検討した。特に、カプランが「世界内抽象存在者(worldly abstracts)」と呼んだ存在者の存在論の関係についても考察し、その成果は講演“Further Words on Words: A Naturalistic Approach to the Ontology of Linguistic Entities”として発表した。
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Research Products
(3 results)