2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of Bhaviveka's Logic from Dignaga's Point of View
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18K00069
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
桂 紹隆 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (50097903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五島 清隆 佛教大学, 歴史学部, 非常勤講師 (00771825)
早島 慧 龍谷大学, 文学部, 講師 (70801372)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 清弁 / 中観心論 / 般若灯論 / 掌珍論 / 陳那 / 因明入正理論 / 安慧 / 中辺分別論複注 |
Outline of Annual Research Achievements |
学期中隔週で研究会を開き、研究代表者(桂)が仏教論理学の大綱を三回にわたって講義し、その後、清弁の瑜伽行唯識派の文献中で批判の最大の標的となった『中辺分別論』に対するスティラマティ(安慧)の『複注』第一章の梵語原典の再校訂と和訳を行い、研究協力者の北山祐誓氏によって,その成果の一部が纏められ『インド学チベット学研究』第21号に掲載されている。また、後期中観派のハリバドラの『現観荘厳光明論』第16章中、清弁が始めた「究極的な視点からは」という限定句を「一切空論証式」に関連して論じる部分の和訳も行った。 『中観心論』に関しては、研究協力者の西山亮博士がボストン大学のエッケル教授のもとに1年間留学し、同書第三章の読書会を積み重ねた。その成果を平成31年度には隔週の研究会で検討して行く。『般若灯論』に関しては、研究分担者の早島慧講師と西山亮博士が、第24章の観誓注を含めた翻訳研究の続稿を『インド学チベット学研究』第21号に公表している。『掌珍論』に関しては、研究分担者の五島清隆氏が翻訳研究を完成しつつある。陳那論理学の研究に関しては、桂が『入正理論』の英訳をライプチッヒ大学の松岡寛子氏の協力を得て完成した。これは、「イントロダクション」「索引」などを加えて、仏教伝道協会の英訳大蔵経の一冊として、遅くとも来年度には公刊される予定である。 平成30年12月1-2日に、連携研究者の斎藤明教授が国際仏教学大学院大学で開催した「第4回中観研究国際セミナー」には、桂の他に、研究協力者の西山博士、エッケル教授、何歓歓教授が参加し、それぞれ研究発表を行った。本年11月23-24日には、龍谷大学で「第5回中観研究国際セミナー」を開催する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度には、『中観心論』研究の中心人物である西山亮博士がボストン大学へ留学していたため、同書の研究会を京都で開催することができなかったが、彼が清弁研究の第一人者であるエッケル教授と『中観心論』第三章の読書会を行ったので、本年度はその成果を吸収する予定である。それ以外の研究課題は、概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画通り研究を遂行する。特に、定例研究会と集中研究会を開催し、若手研究者の仏典読解能力を高めるよう努力する。その成果は,順次「インド学チベット学研究」などの学術雑誌で公表して行く。 本年11月には、「第5回中観研究国際セミナー」を開催し、研究分担者、連携研究者、研究協力者の研究発表を期待している。また、来年8月にソウル大学で開催される「第19回国際仏教学会」で「清弁研究の新しい方向」というパネル発表が承認されているので、桂、斎藤、エッケル、何、西山、田村昌己(東京学芸大学、PD)の6人が研究発表する予定である。 『掌珍論』和訳、『因明入正理論』『因明正理門論』の英訳は、単行本として刊行することを目指す。
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Causes of Carryover |
海外で出版された書籍を注文したが、年度内に数冊到着しなかったので、使用できなかった。 2019年度には確実に入手し、使用する。
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Research Products
(7 results)