2022 Fiscal Year Research-status Report
アバヤーカラグプタ著作の新出梵文資料校訂を通したインド仏教の学知形成様態の解明
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18K00074
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Research Institution | International Institute for Digital Humanities |
Principal Investigator |
苫米地 等流 一般財団法人人文情報学研究所, 仏典写本研究部門, 主席研究員 (60601680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 和雄 駒澤大学, 仏教学部, 准教授 (00509523)
倉西 憲一 大正大学, 仏教学部, 専任講師 (90573709)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インド後期密教 / アバヤーカラグプタ / 『アームナーヤマンジャリー』 / サンスクリットテクスト校訂 / テクスト資料デジタル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、11世紀から12世紀にかけてヴィクラマシーラ僧院で活躍したインド仏教の学僧であるアバヤーカラグプタが著した『アームナーヤマンジャリー』のサンスクリットテクスト校訂を主たる目的とする。また、この作業を通して、後期インド仏教における学知形成の様態を探ろうとするものである。 2022年度は、前年度に引き続き『アームナーヤマンジャリー』第5-8章のテクスト校訂作業を行なった。より具体的には、前年度までに用意した基礎的な校訂テクストを再検討、ブラッシュアップをはかるため、テクスト細部にわたる読みの再確認を行なうとともに、アバヤーカラグプタが著した他の著作に見られるパラレル箇所との比較や、『アームナーヤマンジャリー』と他著作に共通する引用文献の確認を行なった。加えて、前年度までにXMLデータを作成した、関連文献であるカマラナータ作『へーヴァジュラ註』との対照作業も継続して進めている。今後はこれらパラレルパッセージの情報を『アームナーヤマンジャリー』校訂テクストのXMLデータに有機的なかたちで取り込む作業を通して、インド仏教学知形成の一様態の見取り図となる校訂本を完成することになる。なお、『アームナーヤマンジャリー』が注釈する対象である『サンプタタントラ』の注釈該当箇所についても読みの精密な検討が必要であるが、この作業は今の所十分になしえていないため、2023年度にはこちらにも注力が必要となる。総体的には、当初の目的である『アームナーヤマンジャリー』第5-8章校訂・公刊に向けた準備は現時点で9割方遂行されたものと判断できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パンデミックにより、当初予定の研究会等の開催に支障はあったものの、研究関係者が個々に作業を遂行し知見の集積を続けている。ただし、代表者・分担者が集まってテクストを読み合わせるなどの機会が十分には得られなかったため、最終的に公刊可能な状態のテクストを作成するまでには至らなかった。ただし、すでに刊行に向けた文献学的情報は蓄積されているので、今後は本課題関係者間で最終的な作業の詰めを行ない、校訂本の完成を目指すこととなる。以上の理由で、本課題進捗状況は「やや遅れている」と自己評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
従来通り、『アームナーヤマンジャリー』第5-8章校訂作業を継続するが、補助事業再延長後の最終年度となる2023年度は、これまで蓄積してきた文献学的知見を、明確かつ資料として使いやすいかたちで校訂テクストにとりこむ作業が中心となる。また、パンデミックがやや落ち着きを見せている状況に鑑み、可能であれば対面または対面・オンラインハイブリッド形式での研究会を、本課題関係者以外の関心ある研究者も交えて開催し、より広い見地から校訂テクストを再検証してゆくこととしたい。
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Causes of Carryover |
2022年度は、パンデミックの継続により、参加を予定していた研究会・学会が中止あるいはオンライン開催となったため、研究代表者と分担者一名において旅費の余剰が発生し、これが次年度使用額となった。次年度使用額は、パンデミックの状況を見極めながら、学会・研究会参加のための旅費、または研究環境整備のための物品費等として適切に使用する。
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Research Products
(8 results)