2019 Fiscal Year Research-status Report
The Settlement of Transnational Islamic Movements and Multiculturalization of Local Communities in Japan
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18K00085
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
岡井 宏文 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (10704843)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 滞日ムスリム / 移民 / イスラーム / 地域社会 / タブリーギー・ジャマーアト |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、初年度に引き続き3つの調査((1)資料調査、(2)イスラーム団体調査、(3)タブリーギー・ジャマーアト(以下:TJ)の活動参加者に関する調査)を実施した。 (1)の資料調査については、特に団体の出版物について分析を行った。(2)のイスラーム団体調査については、北関東に位置するTJの運営するマスジドを対象に、地域社会との関係、マスジドを基盤として行われている社会的支援の実施状況、支援の内容、支援の際に動員されるネットワークの詳細など関して、関係者のお話を伺った。また、比較対象として別のイスラーム団体においても同様の項目に関するお話を伺った。(3)のタブリーギー・ジャマーアト(以下:TJ)の活動参加者に関する調査については、若者や改宗者によって運営されている「日本人ジャマーアト」について、活動が行われるに至った背景、活動内容、日本社会との関係、今後の展望などについて参加者の方のお話を伺った。(2)(3)では、TJのネットワークの内部に立ち現れるサブグループに関する調査を行うことができた。 これらの調査に基づく分析結果の一部は、日本中東学会、2nd EASSSR(East Asian Society for The Scientific Study of Religion), "Analysis on Non-Muslim Residents’ Perceptions of Islam and Muslims in one Local Japanese Community",『共愛学園前橋国際大学論集』vol.20, pp.99-119などにおいて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、当初は計画通り調査を進められたほか、関連論文、報告書の出版、学会報告等を行うことが出来た。しかし、2020年1~3月にかけて、計画の遅れが発生した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1~3月にかけて実施予定であった国内外での聞き取り調査の多くを中止することとなったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2019年度に実施予定であったTJの次世代・改宗者に関する実態把握と、国内活動に対する海外ネットワークの影響に関する実態把握に遅滞が生じた。これらの遅滞、そして3年目に実施予定であった調査に関しては、今後の感染拡大状況等を鑑みつつ慎重に実施可能性を判断する。調査の実施可能性が不透明であることを受け、これまでに収集した文献資料の分析、インタビューデータの分析を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1~3月にかけて実施予定であった国内外での聞き取り調査の多くを中止することとなった。これにより旅費を使用することが出来なかったため次年度使用額が生じることになった。これらの調査に関しては、引き続き感染拡大状況等を考慮して実施可能性を検討するが、実施が不可能な場合には、一次資料の分析やインタビューデータの分析に必要となる書籍の購入・謝金、および英文での論文投稿に際しての校閲費、成果報告書の出版等に使用する計画である。
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