2022 Fiscal Year Research-status Report
The Settlement of Transnational Islamic Movements and Multiculturalization of Local Communities in Japan
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18K00085
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
岡井 宏文 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (10704843)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本のムスリム / イスラーム / 地域社会 / タブリーギー・ジャマーアト |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、(1)イスラーム団体の活動に関する調査と、(2)タブリーギー・ジャマーアト(以下:TJ)の活動参加者への聞き取り調査を実施するとともに、(3)これまでの調査結果をもとに成果報告(論文・書籍・学会報告)を行った。未だ新型コロナウィルスの影響下にはあったが、日本国内ではマスジドの利用が本格的に再開された。これに伴い、参与観察、聞き取り調査に注力することが可能となった。(1)(2)の概要は以下の通りである。 (1)では、主に関東近郊・東海地方・北陸地方のマスジドを中心に、活動状況(コロナ禍における活動状況、活動の継続/停止/再開に関する意思決定プロセス、社会支援活動の実施状況、国内外のマスジド・団体とのネットワーク、地域社会との関わりなど)の把握を行った。TJが運営するマスジドを中心に活動状況を整理を進めたが、日本のムスリムの世代交代が進んでいる現状の中で、教育と高齢化・死にまつわる対応例の収集も行うこととなった。現在、TJが運営するマスジドに限らず、日本各地でマスジドの改築や建て替えが盛んに行われている。その際、死にまつわる設備や機能が追加される傾向にある。マスジドによる葬儀や火葬に関する対応事例を収集し、マスジドが信者の死を引き受けるなかで、課題が生じているのかを整理した。 (2)では、2021年度に引き続き、古参の参加者およびマスジド運営者、若者や改宗者等によって運営されているTJ内部のサブグループ「日本人ジャマーアト」への参加者への聞き取り調査を実施した。日本のムスリムの多様化に伴い、TJ内部の成員の多様化も進んでいる。異なる背景を有する信者たちのあいだでどのような葛藤が生じ、またどのような共生が模索されているのかに関してお話を伺った。今年度の調査に基づく成果は、論文・書籍の形で公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定していた調査(聞き取り調査・参与観察)を概ね実施することが出来た。 また、これまでの成果の公表も順調に実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果をもとに、最終的な成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルスの影響下で当初計画からの遅れが生じたことによる。現在は概ね遅れを解消しつつあるが、研究計画において未実施の調査を行うためおよび最終的な成果報告を行うために次年度使用額を利用する計画である。
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