2018 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国・朝鮮における「信教の自由」をめぐる比較宗教史的研究
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18K00086
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
李 省展 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 名誉教授 (10279664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小檜山 ルイ 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70186782)
徐 正敏 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (70647255)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 信教の自由 / 政教分離 / 植民地主義 / 神社参拝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本と韓国・朝鮮を基軸とし、比較宗教史的な視点から「信教の自由」についての分析を試みるものである。18年度は、各人で個別に研究を深化させることを第一義としたが、それと合わせて、研究合宿を9月15・16日に開催、研究代表者の李省展が本プロジェクトが目指すものという研究目標と方法論に関する報告を行い、分担研究者とそれらについて論議を重ねた。また明治学院大学・キリスト教研究所客員研究員の坂井悠佳氏を招き研究発表を実施した。「日本思想史からみた信教の自由」という観点から報告を受け、主に明治期の植村正久などの代表的キリスト者に関する思想史的な知見を多く得ることができた。 資料収集と分析が本研究の要であるが、本年度は主に研究代表者が海外での資料調査・収集を実施した。カナダのバンクーバーのThe University of British ColumbiaのIrving K. Barber Learning CentreのRare Books and Special Collectionで資料を閲覧、またAsian Libraryでも資料を閲覧し、宣教関連資料を収集した。また、アメリカのニュージャージー州のNew Brunswick Theological Seminaryにて主に朝鮮宣教との関連でUnderwoodの書簡などの収集を行った。またラトガース大学図書館ではグリフィス・コレクションの中から朝鮮に関する資料を大量に閲覧、収集した。さらに韓国では基督教歴史研究所にて、オーストラリア・ミッション関連資料を収集した。 研究代表者は、以下の研究会に参加し研究との関連で見識を深める機会を得た。キリスト教史学会大会、東アジアキリスト教交流史研究会台湾国際セミナーなどである。明治学院キリスト教研究所主催国際セミナにて政教分離と関連するルーミスに関する研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は順調に推移した。 海外資料調査では特にアメリカでの資料収集に成果があった。いままで注目されてこなかったグリフィス・コレクションの朝鮮関連資料にアクセスでき、本研究と関連する資料収集をなすことができた。また、新教出版社から出版予定の「植民地朝鮮における『信教の自由』-改正私立学校規則と神社参拝の強要をめぐって」という論考の執筆が順調に進められた。また日本のほうでは研究代表者が宣教師・ルーミスに関する戦時下の政教分離、戦争協力に関しての研究発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
19年度の研究は以下の方策によって推進される。昨年度に引き続き研究テーマと関連する資料の収集を積極的に行う。今年度は朝鮮南部を基盤としていたオーストラリアの長老派ミッションの資料収集を行う。そのためオーストラリアのメルボルンに所在する、Presbyterian Theological College、Presbyterian Theological Seminaryにて資料調査を行う。また、朝鮮の宣川、平壌で宣教活動したジョージ・S・マッキューンはこの テーマのキー・パーソンである。ハワイ大学のCenter for Korean Studiesにジョージ・M・マキューン・コレクションに関連資料が存在することから、ハワイにて資料調査ならびに収集を実施する予定である。また国内では同志社大学人文科学研究所所収資料、明治学院・学院資料室などで資料調査・収集を行う。それに並行して収集した資料の分析も行う。 今年度はシンポジュームを開催予定であったが、申請予算減額により規模を縮小し韓国から金興洙牧園大学名誉教授を招き、テーマに関する研究会を実施することを予定している。現在、資料整理の上執筆中の論考を完成し、出版を完成する。これには徐正敏・研究分担者の論考も収録される予定である。その他、研究会などに参加し研究を深めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者、残金59268円を次年度へと繰越す。研究分担者・小檜山ルイの残金、4926円を次年度に繰り越す。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 帝国の福音2019
Author(s)
小檜山 ルイ
Total Pages
432
Publisher
東京大学出版会
ISBN
978-4-13-026162-3