2019 Fiscal Year Research-status Report
新出資料の調査と分析に基づく沖縄仏教史・真宗史に関する総合的研究
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18K00088
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
福島 栄寿 大谷大学, 文学部, 教授 (20453293)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 浄土真宗布教 / 明治期 / 沖縄・琉球 / 真宗僧侶 / 真宗法難事件 / 清原競秀 / 田原法水 / 真宗大谷派 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究活動の詳細は以下の通り。Ⅰ現地調査:①2019年7月26日~28日に沖縄県竹富島で喜宝院布教所調査、石垣島で仲尾次政隆関連史跡調査、石垣市立八重山博物館で資料調査。②2019年10月5日~7日に那覇市立歴史博物館で資料調査、首里城周辺の寺跡、那覇市近郊調査。 Ⅱ;共同研究会:①2019年8月6日・7日(於:大谷大学)7月調査の報告・検討、10月調査の準備。②2020年2月20日・21日(於:大谷大学)10月調査の報告・検討、翻刻史料公開の検討、次年度の計画等。 Ⅲ;成果発表【論文等】知名「琉球における第三次真宗弾圧事件と「琉球藩王尚泰訴状」について」『神女大史学』第36号 2019年11月、福島著:「明治期初期琉球における真宗布教に関する一考察―清原競秀『日々琉行之記』をめぐって―」 『真宗研究』第64輯 2020年1月、共著「【翻刻】明治十一年三月整頓 琉球上申書類綴込」『真宗総合研究所研究紀要』第37号 2020年3月、【講演】福島「辻遊廓における真宗(仏教)の布教~琉球国末期、 真宗禁制下での布教日記を手がかりに~」2019年9月(大谷大学公開講演会 於:沖縄県立図書館)、福島「明治初期琉球における真宗布教~布教日記を手がかりに~」2019年11月(難波別院暁天講座 於:難波別院)、【学会発表】福島「明治初期琉球における真宗布教に関する一考察―清原競秀「日々琉行之記」をめぐって―」2019年6月(真宗連合学会第66回大会・於:大谷大学)、川邉:「琉球における真宗法難事件の研究と課題」2019年11月(第17回中琉歴史関係国際学術会議 於:山東省青島市 中国海洋大学学術交流センター) 共同研究会で予定した2019年度中の研究活動は、概ね順調に実施できた。現地調査では貴重な史料群を撮影出来た。論文、史料翻刻、講演、学会発表など研究成果発表につなげられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査を計画通り2回実施することが出来、研究課題に有益な史料を撮影し、データを入手することが出来た。また現地調査での聞き取り調査でも有益な情報を得ることが出来た。また共同研究会を2回開催し、調査の成果を踏まえ、収集史料の検討を行い、年度内の研究活動計画、次年度の研究活動の計画を検討することが出来た。加えて、研究成果として、知名、福島がそれぞれ論文を刊行し、また共著による翻刻史料を刊行することもできた。さらには川邉が、中国での東アジア諸国の研究者が集う学会で研究成果を発表し、長谷が沖縄県立図書館における講演会を企画し、福島が講演者として研究成果を地元にフィードバックすることもできた。研究チームに関わるそれぞれが強みを活かし、研究活動を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の現地史料調査及び聞き取り調査の成果を踏まえ、かつ共同研究会での研究成果の公開に向けた具体的な検討内容に則りながら、2020年度も研究活動を推進していく。具体的には、史料調査によって撮影が終了した史料群の翻刻作業を進め、2019年度と同様に、年度末に史料の公開を、研究成果として行いたい。また、2019年度は、研究成果を学術論文、学会、講演会での発表を通して、社会へのフィードバックを実施してきたが、2020年度においても、同様に、研究成果を学会などの場において研究成果を発表する機会を積極的に設けていきたい。また、論文と翻刻史料及び解題を主要な内容構成とする研究成果報告を年度末に向けて編集する作業も同時に進めていきたい。加えて、琉球への布教を東本願寺の管長に上申した真宗僧清原昇道の曾孫に当たる清原文秀氏(福岡県在住)と連絡が取れた際に、生前の清原昇道から琉球渡航の話を聞かされていたという話を伺ったため、清原文秀氏への聞き取り調査の実施を予定している。以上のような研究活動を踏まえつつ、年度内に数回の共同研究会を実施し、研究成果の確認と検討を行い、研究成果の公開に向けた作業を地道に進めて参る予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は、3月に東京への調査を予定していたが、コロナウィルス感染症拡大予防のため中止となり、その旅費等の85,000円が残金となった。2020年度は、研究成果公開のための史料翻刻、編集作業に研究活動に重点を置くため、それら史料整理作業(翻刻作業・データ入力・校正など)にかかる人件費の支出を見込んでいる。また、2020年度も、2019年度に引き続き、沖縄県内の図書館、資料館への現地資料調査に加え、研究テーマに関係する方への聞き取り調査を実施するため、協同研究員の旅費が必要となる。加えて、研究成果を学会等の場所で発表するための協同研究員の旅費や学会参加費等も必要である。また研究成果の発表の準備や、冊子体を予定している研究成果の編集にあたり、複数回の共同研究会を実施する予定であるので、協同研究員の旅費等も必要となる。合わせて、必要な参考文献類の購入予定している。
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Research Products
(8 results)