2019 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるイスラーム法学の先駆者アフマド有賀文八郎;の原資料の研究と整理
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18K00089
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
四戸 潤弥 同志社大学, 神学部, 教授 (80367961)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アフマド有賀 / 日本の『クルアーン』理解 / アフマド有賀ノート / イスラーム法理学 / アジアのイスラーム / アラビア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
4月アフマド有賀の『クルアーン』理解を含めた共著『日本のイスラームとクルアーン』を出版した。4月サウジアラビア国首都リヤードでの第1回アジア・アラビスト会議(The 1st Asian IstiArab Academic Conference,Riyadh, Saudi Arabia 2019/04/09-11)に参加、プレゼンテーション(アラビア語)「表記法、表記、読みにおけるアラビア語教授法」を行った。参加国アジア19カ国、参加者90名、発表者(プレゼン)68名だった。中国における『クルアーン』訳が日本の坂本訳から訳したとの中国代表の指摘があった。これによりアフマド有賀の『クルアーン』訳語を再検討する必要が生じた。5~7月、アフマド有賀『香蘭経』の原本ノート30巻の内、PDF作業を10巻終えた。9月、日本宗教学会第78回学術大会(2019/09/12-15)「イスラーム法理学におけるハラール概念」を発表し、「基本がハラール(許されたいること)」であることの問題点を指摘した。アフマド有賀の段階的宣教とイスラーム法学との関連がある部分でもある。10月、アフマド有賀が河野広中と共に孫文秘書宋教仁との関係に、彼の日記の解読から、競馬場経営利権入手が含まれていたことが分かった。2020年1月「アジアにおけるムスリム・マイノリティのイスラーム復興-中国とタイー」(同志社大学一神教学際研究センター主催2020/01/11)で、イスラーム過激派とイスラーム復興潮流の二つがあり、アジアのそれは後者の流れの中に位置づけられることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アフマド有賀のイスラーム理解を資料として収集公開することが目的である。今年は最終年であり、アフマド有賀関連人物から取材収集した資料を整理する。特にアルマド有賀の『香蘭経』のノートは本研究の核である。またその訳の原典となった英国の “ Koran ”J.M. RODWELLを入手したので、これとの比較も行っている。今年はパンディミンクのコロナウィルス感染により研究時間、及び取材などのフィールドが2月末以来制約されてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
パンディミックのコロナウィルス感染により、研究が制約を受けている。 アフマド有賀の『香蘭経』の検討は、アフマド有賀の段階的宣教方法と日本社会との調和に核である。PDF資料作成を完成させて、日本の研究者及び一般の人の知見に貢献したい。
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Causes of Carryover |
機器関連の納期が遅れた。次年度ではこの部分が執行され充当される。
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Research Products
(5 results)