2020 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における暦の流通と仏教・神道・陰陽道の展開に関する宗教社会史的研究
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18K00092
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
岡田 正彦 天理大学, 人間学部, 教授 (00309519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 育世 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (00723173)
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 仏暦 / 神宮暦 / 皇紀 / 陰陽道 / 明治改暦 / 暦政策と宗教 / 須弥山儀 / 神宮大麻 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年には、日本宗教学会・第77回学術大会において「暦を通して宗教史を語りなおす」と題するパネル発表(代表者:林淳、岡田正彦・下村育世は発表者)を行ない、2019年の日本宗教学会・第78回学術大会では、「近代における暦・国家・宗教」と題するパネル発表(代表者:岡田正彦、林淳・下村育世は発表者)を企画して、どちらも高い評価を受けた。これまで、日本の宗教文化史や思想史ではあまり取り上げられてこなかったテーマに切り込むことによって新たな知見を得られたばかりでなく、宗教学の枠組みを超えた多方面の研究者との交流が深まりつつある。しかし、2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大のために最終年度に予定していた研究発表や調査活動は中止を余儀なくされた。科研の申請期間を延長した2021年度には、本来予定していた研究計画を実現できるように努力したい。 2020年度の個々の研究成果としては、林淳は日本宗教学会・第79回学術大会(2020年9月18日~20日:駒澤大学)において「陰陽道研究の最前線」と題するパネルを企画した。下村育世は、「明治改暦におけるグレゴリオ暦をめぐる問題―日本らしい暦とは何か」『国立歴史民俗博物館研究報告』第228集(501-517頁、2021年3月)を発表している。代表者の岡田正彦は、『月刊住職』(興山舎)2021年2月号・3月号に「日本の暦と仏教の深い関係を再認識するために①・②」を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年夏に開催される予定であった国際宗教史宗教学会(ニュージーランド)にCalendar and Religion in Japanese Tradition: Buddhism, Shinto, and Onmyodo.と題するパネルを科研メンバーとともに申込み、発表を受理されて渡航準備をしていたが、大会そのものが中止になった。また、コロナ禍のために最終年度に予定していたシンポジウムや博物館でのイベントなども中止せざるを得なかった。このため、3年間の予定であった科研の申請期間の1年延長を申請して受理されている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に科研の総括として予定していた、国際学術大会でのパネル発表や国内でのイベントの開催はコロナ禍のために中止になった。このため、3年間の予定であった科研申請期間の1年延長を申請して受理され、中止を余儀なくされた計画の見直しを進めている。認められた4年目の申請期間を有効に活用しながら、年度末の最終的な報告書の作成を目指している。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナ感染症の拡大のために予定していた海外の学術大会におけるパネル発表やイベント等は中止になった。このため、3年間の科研申請期間を1年延長して、開催できなかったイベントや調査を実施したうえで、最終年度の報告書の作成や研究成果の公開を目指している。繰り越しした科研費は、延長期間の調査やイベント等の実施に使用する予定である。
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