2018 Fiscal Year Research-status Report
Japan-Germany joint research on the ideological historical significance of <Basic Income> to <Sustainable Society>
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18K00103
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
別所 良美 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (10219149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベーシック・インカム / 持続可能な社会 / 労働と所得の分離 / 共同所有論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年8月4日には名古屋哲学研究会(ベーシック・インカム研究会)を開催。桜井啓太氏(名古屋市立大学・准教授)の「労働と福祉について(再考)」および研究代表者の「労働の未来とベーシック・インカム」という報告が行われた。 2018年10月9日から20日の期間にドイツ、スイス、ベルギーでの調査研究を行った。ドイツのフライブルグ大学で開催されたBI研究大会に参加し、「ユーロ配当」という形での国家の枠を超えたベーシック・インカムについての議論状況についての知識を得た。スイスのチューリッヒ大学では大学の「持続可能性報告書」を作成しているClemens Mader准教授およびJan Bieser氏から持続可能な大学プロジェクト活動に関する情報を得た。またブリュッセルで開催された高等教育機関における持続可能性教育の大会「FUTURE FORWARD」にも参加し、ベーシック・インカムと持続可能性教育との理論的及び実践的な関係性について多くの示唆を得ることができた。 2018年12月15日には名古屋哲学研究会12月例会では、関東学院大学教授・渡辺憲正氏の「マルクスの私的所有形態論」という報告が行われ、マルクスの『経済学批判要綱』を中心に労働と所有(所得)との関係の歴史的変容可能性についての詳細な説明を得られ、マルクスの内に労働と所得の分離というBI原理を読み込む可能性を確認できた。 2019年3月10日には、生存科学研究所本部(東京銀座)にて、本研究の研究協力者であるドイツ・デュッセルドルフ大学・島田信吾教授の近著 『認知症老人と地域ケア』の紹介報告を研究代表者は行なった。認知症老人のケア問題を、地域共同体を再構築の問題と捉え、そのためにBI理念が果たしうる意義を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は、国内外の研究者との意見交流を進める点に関してはかなり有意義な成果を上げることができたが、同時に進める予定であった思想史的研究、特に労働と所得の分離を歴史的に解明するための共同所有論やコモンズ論、とりわけ自然資源の共有論についての思想史的研究をまとめるまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、自然資源の共有論を中心に思想史的研究を(問題自体が広範なものであるため、限定的な形で)年度半ばまでにまとめ、その研究成果を国内外で発表して、議論を深めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
研究期間の第3年度目に海外からの研究者を招いて国際シンポジウムを計画しており、そのために各年度に無駄な支出をしない方針を取っているため。
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