2021 Fiscal Year Research-status Report
ドイツ語オペラ確立への軌跡:ドイツ語諸都市の上演状況比較から辿る自国語オペラ
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18K00123
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
大河内 文恵 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (20463953)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 上演史 / ドイツ語オペラ / イタリア・オペラ / ドレスデン / ベルリン / ヴィーン / 劇場史 / 上演団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀半ばまでほぼイタリア・オペラ寡占状態だったとされてきたドイツ諸都市において、ドイツ語オペラがどのように確立・受容されていったかを上演史から読み解くものである。2021年度は、2019年度のドレスデンについての論文(『ハッセとヴェーバーの間:1765年から1830年までのドレスデンにおけるオペラ上演に関する予備的考察』東京芸術大学音楽学部附属高等学校研究紀要 14 31-37 2019年2月)、2020年度のドレスデンとベルリンを比較した論文(「七年戦争後のベルリンで上演されたオペラードレスデンとの比較から」in:『オペラ/音楽劇研究の現在―創造と伝播のダイナミズム 』水声社 2021年3月)の結果を踏まえた上で、さらにヴィーンの上演状況の分析と併せて、論文「1760 年代から1830 年までのヴィーンにおけるオペラ上演についての試論 : ドレスデン・ベルリンとの比較から」東京芸術大学音楽学部附属高等学校研究紀要 17 51-57 2022年3月)にまとめた。その結果、同じ時期のドイツの都市の中でも、イタリア・オペラの重要度はドレスデン、ベルリン、ヴィーンの順に低くなり、ドイツ語オペラの重要度はその逆であることが明らかになった。また、ヴィーンではフランスとの関係が他の都市よりも重要度が高いことがデータから裏付けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引き続き、コロナ禍のため当初予定していた現地調査をおこなうことが困難となり、ウェブ上で閲覧できる調査をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、コロナ禍およびその影響により、現地調査をおこなう見通しは立っていないため、ウェブ上で公開されている資料によって調査を進めていく予定である。今後は、ヴィーン・ドレスデン・ベルリンの3都市で共通のレパートリーが移動して上演されている例について、分析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により現地調査がおこなえなかったため。
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Research Products
(1 results)