2019 Fiscal Year Research-status Report
20世紀以降の器楽音楽と電子音響音楽における構造的音色表現の研究
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18K00132
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水野 みか子 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (50295622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電子音響音楽 / ピエール・シェフェール / 惑星の貝 / 音楽分析 / 空間音楽 / leapmption / 音響視覚化 / メディア音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「音色の諸相」を、音楽学、分析理論、音楽情報処理を横断する方法で実施している。電子音響音楽初期の代表例であるピエール・シェフェールの音響分析は第二次世界大戦後にうち出されたものであるが、コンセプトの基盤は、1940年代のラジオ研究や演劇活動に求めることができる。本研究の第2年度には、小説「クロテール・ニコール」、演劇スペクタクル「フランスの少女のためのポルチコ」、ラジオドラマ「惑星の貝」、ドキュメンタリ「プレリュード、コラール、フーガ」の初版記録をはじめ史的資料をフランス国立図書館において確認し、これらの記述をもとに、シェフールの美学思想の変遷を整理した。電子音響音楽の分析について、ソルボンヌ大学ピエール・クプリらが考案したiAnalysisを使って音響視覚化を行い、記号化における従来の記譜との違いを特定作品に応用して比較研究を行なった。電子音響音楽における空間要素の舞台化に関して、実験的にLeapmotion やLeapを使用して音楽作品を制作した。また、ネットワークを介して DANTEでの音響通信とudp データ通信による遠隔パフォーマンスを行い、レーテンシーを加味した音楽作品を制作した。これらの研究成果は、Electroacoustic Music in East Asia 2019及びMusica / Tecnologia vol.13-2019での論文発表、 Cesare avant guarde(ランス)及びフランス音響音楽共同研究センターIRCAM(パリ)での招待講演、JSSA/ACMP Media Project日韓コンサート及びレゾ・エクスペリメンタル(ミッドジャパン音の音楽祭)で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フランス国立図書館での資料調査は、年度末にさらに行う計画であったが、コロナの影響で翌年度に積み残されている。その他は概ね計画どおりに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの影響で海外での調査研究の目処がたたないので、国際学会等は参加できない可能性もある。一方で、学会等のオンライン開催も頻繁に行われてきているので、研究発表をオンラインで行う多様なスキルを準備していく。
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Research Products
(6 results)