2021 Fiscal Year Research-status Report
Reception History of the Cimbalom in Hungary (1867-1918)
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18K00136
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
太田 峰夫 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (00533952)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ツィンバロム / ハンガリー / オーストリア=ハンガリー二重君主国 / 西洋音楽史 / ナショナリズム / 市民社会 / ロマ / サロン文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響により、学会発表や論文執筆に時間をさくことは著しく困難だった。 国外での調査を実施できなかったため、ルカーチ・アニコーの19世紀ハンガリーの「国民衣装」に関する研究、ブラウエル・ベンケ・ヨージェフの楽器イコノロジー研究、ライナイ・エディットの民衆劇研究など、関連領域の著作を読み込むかたわら、ウィリアム・ウェーバーの音楽社会学関係の文系やブルデューの『ディスタンクシオン』など、理論的著作をあらためて精読した。そこから得られたのは、ツィンバロム制作の歴史と、ハンガリーにおける中間階級形成の歴史を重ね合わせる視点である。そもそも国外出張を計画すること自体が難しかったので今年度は何もできなかったが、本課題を次のステップに進めるためにも、来年度はぜひブダペストおよびウィーンの資料館に通い、楽器製造業者や顧客にかんする資料を集めたい。 ツィンバロムと19世紀のハンガリー民衆劇との関係 についての研究、19世紀におけるツィンバロムの弦の配置の変遷の問題など、懸案事項だったほかのいろいろな課題も今年度は手つかずのまま残った。研究成果をまとめるまでの道のりは大変けわしいが、次年度は少しでも遅れを取り戻したい。 また、歴史研究関連の学会誌への投稿や国内外の研究者との意見交換など、当初から考えていた計画についても、今年度は見るべき進展はなかったので、これらのことを深く反省した上で、最終年度となる次年度には何らかの成果が残るようにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により 国外(主にハンガリー)での調査を実施することができなかった。また、勤務先でも感染防止対策の策定におわれたため、研究時間を確保すること自体が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍に伴う各国の入出国制限が緩和傾向にあることを活用し、今年度はウィーンとブダペストで調査を行う。また、年度後半には学会誌にも積極的に投稿し、少しでも研究の遅れを挽回できるようにする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により2020年度と2021年度に国外での調査や発表が行えなかったので、今年度はスケジュールが許す範囲内でなるべく国外で調査と発表を行うことにする。
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