2020 Fiscal Year Research-status Report
音楽創作による戦争協力-第二次大戦中のアメリカ作曲界を対象にして-
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18K00142
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Research Institution | Toho Gakuen School of Music |
Principal Investigator |
沼野 雄司 桐朋学園大学, 音楽学部, 教授 (00322470)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 現代音楽 / アメリカ音楽 / 戦争音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は4月から1年間にわたってマサチューセッツ州ケンブリッジのハーヴァード大学において、同大学のキャロル・オジャ教授、アンヌ・シュレフラー教授と意見交換を重ねながら研究生活を送る予定だったが、2020年3月よりコロナ禍でヴィザが制限されたために、ようやく10月になってから渡米し、研究を開始することになった。 ただし、アメリカの感染状況もきわめて深刻であったために、大学校舎は完全に閉まっており(授業関係はすべてオンラインであった)、ファカルティと顔を合わせることもまったくできなかった。結果、オジャ教授、シュレフラー教授とは、ZOOMを通してのみの相談となってしまったが、その中でも有意義な情報交換はできた。とはいえ、図書館も完全に閉まっており、予約制でしか図書を借りることしかできなかったために、当初に予定していた「1940年代のアメリカの音楽雑誌を網羅的に調査する」というプランは放棄せざるを得なかった。 結果として、雑誌調査は次の機会に回し、大学図書館の強力なデータベース機能を生かしながら、既存論文の収集と読解に務めることになった。集中的に多くの論文を読むことになったが、とりわけKrystyn R. Moonによる論文”There's no Yellow in the Red,White, and Blue:The Creation of Anti-Japanese Music during World War Ⅱ”については、両教授と意見交換しながら詳細に検討し、自らの研究の方向性を整えることができたのは大きな収穫だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
なによりも、コロナ禍によってハーヴァード大学図書館における音楽雑誌の網羅的調査が叶わなかったことが、研究の遅れの最大の原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
きわめて残念なことに、おそらく2021年度においても、本研究の中核を成すはずであった、アメリカの大学図書館における1940年代の音楽雑誌の網羅的な調査は不可能であることが高い確率で予想される。ゆえに、本年度はこれに替わる資料研究の方向性を早急に見出さねばならないが、十分な見通しがまだ立っていない。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、アメリカでの研究滞在が5ヵ月に短縮されてしまったため。
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Research Products
(1 results)