2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cooperation in War through Modern Music: A Study of "War Composition" in the U.S. during World War II
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18K00142
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Research Institution | Toho Gakuen School of Music |
Principal Investigator |
沼野 雄司 桐朋学園大学, 音楽学部, 教授 (00322470)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 現代音楽 / アメリカ音楽 / 音楽社会学 / 音楽分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に続き、最終年後の2021年度にかんしてもアメリカの図書館調査がコロナ禍により不可能になってしまった。これは想定外の事態であり、結果として、最後2年の研究計画は大きく変更、縮小せねばならなかった。 とはいえ、日本における関連資料の調査を行ない一定の成果は得た。 第二次大戦時に活発に活動していた現代作曲家(70名ほどをリストアップし、うち30名ほどについて考察をくわえた)の戦時中の動向を抽出、さらにそこで生み出された戦争協力作品をリスト化し、それぞれの作曲委嘱の経緯、編成、初演、録音、戦後の状況等についての調査を行い、それらの詳細についてある程度の認識を得ることができた。 アメリカの戦意高揚音楽があらわれるのは、当然ながら1941年の真珠湾攻撃以降であるが、この大事件の後にアメリカ陸軍航空隊(The Army Air Corps)がサミュエル・バーバーほかに依頼した大規模な楽曲の全貌はほぼ明らかになった。また、これらがとりわけ1943年を境に急増していることを定量的に把握することができたのみならず、アメリカ最大の作曲家団体「作曲家連盟 The League of Composers」が18人の作曲家に委嘱した戦意高揚音楽についてもほぼ詳細が明らかになった。“National Unity through Music”といったタイトルの論文や記事を、十分ではないものの収集できたのも大きな成果であった。また、ハーヴァード大学の教授陣(とりわけCarol Oja)、戦争音楽の研究者(とりわけBen Arnold )とは、コロナ禍の中でも連絡を取り合い、協力体制を構築することができた。
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Research Products
(1 results)