2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K00157
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
正道寺 康子 聖徳大学短期大学部, 総合文化学科, 教授 (70320702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 正弘 山口大学, 東アジア研究科, 教授 (60346541)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教訓抄 / 楽書 / 現代語訳 / 語釈 / 日本中世音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
『教訓抄』の現代語訳・語釈に取り組んだ。担当は代表者(正道寺康子)が巻2、分担者(森野正弘)が巻4、協力者(上原作和)が巻7、協力者(笹生美貴子)が巻1である。昨年度に引き続き、コロナ禍により対面での検討会が難しかったため、オンラインによる検討会を9回実施した(5/29、6/27、7/25、8/26、8/27、9/23、12/5、2/6、2/16)。対面による検討会は、京都(10/31)と山口(3/26~3/28)で2回実施した。その結果、現代語訳・語釈は巻1~巻4までがほぼ完成している。また、現代語訳・語釈の作業に伴って、書き下し文の改定も随時行った。 10月30日(日)に、代表者・分担者・協力者全員で、奈良国立博物館「正倉院展」を見学し、外来音楽に関する資料を収集した。研究課題と関連する公開宝物は、螺鈿紫檀阮咸・笛吹襪・楽舞用の錦の足袋・笛吹襪(復元模造)・女舞接腰(楽舞用の錦の脚覆い)である。 分担者は、研究成果の一部を「『源氏物語』朝顔巻の桃園の宮に集う人-歴史と物語の交錯する時空-」(『山口大学大学院東アジア研究科 東アジア研究叢書6』白帝社、2022年2月)という論題で発表した。代表者は、2022年3月18日(金)に、聖徳大学短期大学部総合文化学科教職員に対して「篳篥の未来」という題目で研究報告を行った。 令和4年度は、9月にシンポジウム(「水門の会」創設60周年記念国際シンポジウム「平安楽人、渡来の楽に出会う」〈仮題〉)を開催し、これまでの研究成果を発表する。その内容は、『水門―言葉と歴史―』第31号(勉誠出版)にも掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対面での検討会を2回実施し、オンラインでもほぼ毎月、『教訓抄』の現代語訳・語釈について検討したが、検討事項が多く、特に音楽の専門用語の理解に時間を要した。また、現代語訳・語釈の作業に伴い、本文や書き下し文の校訂も随時行ったので、昨年度よりも作業量が多くなった。 科研費の使用については、コロナ禍を避け、山口大学で検討会を実施したため、分担者の東京への旅費が未使用となり、令和4年度に繰り越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、引き続き巻5~巻10の現代語訳・語釈に取り組む。毎月1回オンラインによる検討会を実施し、雅楽に詳しい遠藤知子氏(書肆フローラ主催)にも検討会に加わっていただき、助言を得ている。さらに、雅楽の実演者や中世の研究者による助言も得て、現代語訳を正確にしたい。 9月開催予定のシンポジウム(「水門の会」創設60周年記念国際シンポジウム「平安楽人、渡来の楽に出会う」〈仮題〉)の準備も令和3年度末より取りかかっている。このシンポジウムの成果は『水門―言葉と歴史―』第31号(勉誠出版)の小特集として掲載予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、令和3年8月下旬及び令和4年2月中旬に予定していた対面による検討会が実施できなかったことによる研究旅費の未使用である。令和4年度はシンポジウムを開催したり、対面による検討会を増やしたりする予定のため、その際の旅費等で使用予定である。
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Research Products
(1 results)