2019 Fiscal Year Research-status Report
日本の篆刻に関する実証的研究―歴史・技法・鑑賞の研究から科学的解明を目指して―
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18K00163
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
神野 雄二 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (60330669)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 篆刻 / 篆刻家 / 印章 / 書学書道史 / 美学美術史 / 芸術 / 書写書道教育 / 歴史・技法・鑑賞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「日本の篆刻に関する実証的研究―歴史・技法・鑑賞の研究から科学的解明を目指して―」は、日本における篆刻や印章の研究、篆刻家や印譜の、広い視野に立った体系的な研究を目指している。篆刻・篆刻家・印章の研究である。これまで 日本や中国における印章や篆刻家に興味を持ち、それへの史的考察や作品研究をテーマに据え論考を発表してきた。全国の関連の研究機関・個人収蔵の、篆刻や印章における関係資料の調査・研究をし、基礎・基本となる資料をデーター化し、その内容の分析と研究を行ってきた。そのために、基礎研究を更に充実させるとともに、実証的・総合的に体系化をはかった。作年度は、九州・東北・関西等を中心とした。実施した研究により、基礎データを充実させることができ、同研究に役立つものとなった。山田寒山・正平の作品鑑賞の研究、それへの史的考察をテーマに据え論考を発表した。更に、「書道」・「篆刻」に関する適切な英語翻訳について研究し論考を発表した。 篆刻・印章の研究は、中国の篆刻・印章の研究が必要で、両国のそれの比較・検討が大切である。先に、中国(台湾)研修では、国立故宮博物院や・中央研究 院語言研究所などで、篆刻・書画の関係資料の調査をしたが、それを基に中国と日本の篆刻や印章の比較・検討を行い、より本研究を深められた。 今後は、これまでの基礎研究を踏まえつつ、蒐集しえた資料・文献を使用して、その歴史・技法・鑑賞の実証的・科学的解明を行いたい。現在の状況を踏まえつつ、可能な限りではあるが、日本全国の関係諸機関の調査・研究を、進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、日本の篆刻や印章の歴史的、文化史的そして科学的な解明を目的としている。総括的には日本の印学の体系化を目指すものである。そのため、基礎研究を踏まえつつ、歴史・技法・鑑賞の実証的・科学的・総合的解明を行う。本研究で扱うテーマの多くは、書学においても書道史においても、今日的課題であり、 長い伝統を持つ篆刻・印章という芸術を、今日的視点から捉え直す。これまで、関連する全国の諸機関・個人の収蔵する篆刻や印章と関係資料の調査・蒐集を行い、基礎となる文献・資料を丁寧に データー化し、その内容理解と分析、作品研究などを行ってきている。これからは、篆刻や印章の基礎研究を更に充実させ、実証的・科学的・総合的に本研究を進めたい。これまでの基礎研究を踏まえつつ、蒐集した資料・文献を使用して、その歴史・技法・鑑賞の実証的・科学的解明を行いたい。ただし、現在の状況を踏まえ、可能な限り、日本全国の関係諸機関の調査・研究を進めていくこととなる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、これまでの基礎研究を踏まえつつ、発展的にその歴史・技法 ・鑑賞の実証的・科学的解明を行う。具体的には、以下の諸機関の中から、適宜重要な地域を選び、調査・研究を進めたい。本務校の熊本大学での調査・研究と、関連機関である永青文庫、東京荻窪在住の山田家の子孫、長崎市在住の小曽家の子孫など、九州方面での研究、、京都市在住の園田家の子孫、京都市在住の秦家の子孫等に伝わる篆刻・印章、そして東京都の藤山商事株式会社に収蔵する文献・資料の調査・研究などである。更に、東京国立博物館、大東急記念文庫、新潟県立図書館、早稲田大学、山梨県立図書館、会津八一記念館、大阪府立中之島図書館、和泉市久保惣記念美術館、長崎市立博物館等である。今後発展的に、その他、日本各地の書道や篆刻、そして関連の芸術・歴史機関を訪れ、より広く詳細な調査をする。つまり、全国の関連の研究機関・個人収蔵 の篆刻・書道・関連の芸術における関係資料の調査・研究をし、基礎となる資料をデーター化し、その内容の分析と研究を深め、総纏めを行う。 今後は、これまでの基礎研究を踏まえつつ、蒐集しえた資料・文献を使用して、その歴史・技法・鑑賞の実証的・科学的解明を行いたい。関連の芸術に関する纏めも考えている。 ただし、現在の状況を踏まえつつ、可能な限り、上記、日本全国の関係諸機関の調査・研究を広 く・深く進めていくこととなる。
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Causes of Carryover |
今年度、フイルドワークを行う計画で、翌年度分として請求した。 また、3年目の研究の纏めを行うため、、文献・資料、必要物品等の購入が必要である。 更に、3年間の研究の総纏めとして、冊子などに纏めたく考えている。 本研究を、より内容の厚みを持たせるため、関係領域の研究や纏めを併せて取り行う。
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Research Products
(2 results)