2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00176
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中谷 伸生 関西大学, 文学部, 教授 (90247891)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 耳鳥齋 / 戯画 / 大坂画壇 / 漫画 / アニメーション / 滑稽 / 版本 / 浮世絵 |
Outline of Annual Research Achievements |
江戸時代における大坂の戯画作者である耳鳥齋の戯画研究を通じて、日本戯画史の構築を目指すため、耳鳥齋と大坂画壇についての絵画史的研究を進めてきた。まず、大坂画壇全体の理解を行うために、各地の美術館、博物館、大学、図書館、個人所蔵者での調査を行い、実証的な美術史研究を実行して来た。その内容は、肉筆絵画の調査研究を軸にして、版本(絵本)の調査研究へと進め、耳鳥齋の戯画制作活動の全容を捉え、他の大坂画壇の戯画との比較研究を行って、日本戯画史の中での耳鳥齋の戯画の位置づけを行った。これまでの日本戯画史の研究では、多くの研究で、耳鳥齋が外されていることが多く、そうした戯画史上の欠落部分を補う調査研究を主たる研究対象とするべく努力を続けている。2018年度においては、大坂画壇と耳鳥齋との調査研究について、一定の成果を上げた。それらは大坂画壇に関する執筆論文に反映されている。学術誌等に発表した研究論文は計5本、その他の資料紹介が計2本、国際学会、国内学会、研究会、講演会等での口頭発表が計11回である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学、図書館、美術館、博物館、骨董商、個人所蔵者などを調査し、作品発掘の成果を上げ、耳鳥齋と日本戯画史の構築に向けて前進している。大坂画壇の実態を明らかにするとともに、耳鳥齋をはじめとする戯画の調査研究について、連続して成果を上げたと考えている。多くの研究成果は、大坂画壇に関する執筆論文に反映されている。学術誌等に発表した研究論文は計5本、その他の資料紹介が計2本、イギリス、スイス、中国などで開催された国際学会、国内学会、研究会、講演会等での口頭発表が計11回で、国際的な発信を積極的に行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度の実績を踏まえ、順調に調査研究を進める予定である。日本国内の調査はもちろんのこと、海外の大学、図書館などでの調査を進め、研究成果の発表に関しても、イギリス、イタリア、中国などでの国際学会での研究発表を予定している。
|
Causes of Carryover |
調査相手の都合で2018年度の調査出張が2019年度になったため。
|
Research Products
(14 results)