2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K00177
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
関根 浩子 崇城大学, 芸術学部, 教授 (10553589)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サクロ・モンテ / 劇場 / 芸術家 / 彫刻 / 絵画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イタリア北西部の主要なサクロ・モンテの礼拝堂装飾の全体像と、装飾に携わった芸術家たちの全体的把握、並びに彼らのサクロ・モンテ間の移動の有無や影響関係等を解明し、解明結果をできる限り視覚的、図式的に明示することを目的としている。 令和元年度については、夏期休暇中の9月と春休み中の3月末に、計2回の現地踏査を計画していた。まず1回目は、サクロ・モンテ管理運営財団に事前に調査・撮影許可依頼を送り、許可を得た上で、後期が始まる前の9月12日から22日にかけて、ピエモンテ州に赴いた。そしてサクロ・モンテ群の中でも、オローパ、グラーリア、クレア、ヴァラッロ、グィッファのサクロ・モンテを順に訪れ、同財団の職員にご協力頂いて、世界遺産を構成している礼拝堂群を開錠頂いた。さらに許可を頂けたサクロ・モンテでは、堂内に入って写真撮影や作品の現状、修復状況などを確認させて頂いた。しかし、予定していた2回目(令和2年3月)の北西イタリアでの現地調査は、新型コロナウィルスの世界的感染拡大と体調不良により断念せざるを得なかった。消化できなかった現地調査については、令和2年度に可能な限り実施したいと願っているが、感染拡大が終息しない限り渡航は困難であるため、状況によっては研究期間の延長も考えなければならないと思っている。 以上のような状況ゆえに、今年度の研究実績は予定の半分しか挙げられていない。しかし、実施できた1度目の現地調査では、以前とは大きく変わったサクロ・モンテ管理運営財団の組織・メンバー構成にあって、変わらずに勤務していた資料センターの所員や財団員と旧交を温め、貴重な書籍や資料も入手できたことは大きな収穫であったと言える。また、クレアのサクロ・モンテに関する現地調査と写真撮影、資料収集の成果を論文として大学の紀要に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は北西イタリアに2度赴いて、写真撮影や資料収集、聞き取り調査といった現地調査を実施する予定であった。1度目は後期開始直前の9月にほぼ予定していた通りの現地調査を実施できたが、年末から年始にかけて原因不明のウィルスによる感染が中国武漢市で報じられると、それがたちまち同市で爆発的に拡大し、新型コロナウィルスによるものと判明した。そして日を経ずして、今度は調査対象地である北西イタリアでの同ウィルスによる感染拡大が報じられるようになり、さらにスペインをはじめとするEU加盟国でも感染者が急増、WHOによるパンデミック宣言が出されるに至った。 当初は2度目の渡航を3月下旬に設定していたため、コロナ禍の終息を願いながら渡航のタイミングを図っていたが、終息の兆しが見えないどころか、我が国でも渡航の自粛が要請される事態となり、現在では他県への移動すら自粛せざるを得ない状況に至ってしまった。従って、今年度に予定していた北西イタリアでの2度目の現地調査を断念したため、やや遅れていると言わざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな推進方策というものはなく、応募段階で計画していた2020年度の現地踏査を含む調査・研究内容と、新型コロナウィルスの世界的感染拡大によって実施できなかった2019年度の2度目の現地踏査・資料収集等を、世界の状況が許す範囲内で粛々と進めていくしかないと思っている。 2019年度に踏査できなかったサクロ・モンテは、ピエモンテ州のオルタとベルモンテである。また、2020年度に現地踏査を予定しているのは、1回目はピエモンテ州のドモドッソラとモンタのサクロ・モンテ、ロンバルディア州のガッリアーテのサクロ・モンテであり、2回目はロンバルディア州のヴァレーゼとアローナのサクロ・モンテであるが、時間を無駄にしないよう、訪問地や訪問順序を再考しながら、管理運営財団に事前に許可を得て、作品の写真撮影や画家や彫刻家に関する資料収集を進めてゆきたい。また、渡航が許されない状況が続くようであれば、収集した文献や資料の整理・熟読や、新しい文献の収集に努めていく予定である。なお、口頭ないしは論文の形で調査・研究成果の公開・発表に努めることは言うまでもない。
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Causes of Carryover |
2019年度末の3月に予定していた2度目の北西イタリアでの現地調査が、新型コロナウィルスの感染拡大、特に調査対象地である北西イタリアにおける感染拡大のために実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。 残額は、2020年度に渡航が可能になった場合は現地調査費に、また、まだ渡航が許されない場合は、書籍の購入費や国内の学会や研究会に参加するための旅費や参加費等にあてたい。
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Research Products
(1 results)