2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00177
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
関根 浩子 崇城大学, 芸術学部, 教授 (10553589)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サクロ・モンテ / ドモドッソラ / 礼拝堂装飾 / 北イタリア / ディオニジ・ブッソラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2018年度から2021年度までの4年間で、イタリア北西部の主要なサクロ・モンテの礼拝堂装飾の全体像と、装飾に従事した芸術家たち(彫刻家や画家、建築家など)の全体的把握、彼らのサクロ・モンテ間の移動の有無や影響関係を解明し、解明結果をできる限り視覚的、図式的に明示することを目的としている。 2021年度は研究の最終年度に当たっており、当初の計画では、まず1度目の現地踏査でロンバルディア州のオッスッチョやチェルヴェーノを現地踏査・調査して礼拝堂群の現状確認や写真撮影、文献閲覧・収集、現地スタッフとの情報交換を行うとともに、2度目の踏査で閲覧・収集しきれていない文献をフィレンツェの美術史研究所(Kunsthistorishes Institut in Florenz)で閲覧・収集する予定であったが、新型コロナ感染症が未だ収束せず、変異株のパンデミックにより渡航ができなかった。現地調査ができなくなって既に2年半が経過しているため、2020年度の未調査分を含めると、調査は大幅に遅れていると言え、1年間の研究期間の延長を申請させて頂いた。 2021年度の実績としては、2020年度のオルタのサクロ・モンテに続き、ドモドッソラのサクロ・モンテの礼拝堂装飾の全体像や装飾に従事した芸術家たちについての把握・整理を試み、それを論文として活字化(「ドモドッソラのサクロ・モンテ・カルヴァリオとその礼拝堂装飾」)したことが挙げられる。しかし、現地の再踏査・調査ができなかったために、現状を撮影した写真を図版として掲載することはできなかった。その他には、日本において可能な限りでサクロ・モンテやスイスのカントン・ティチーノ州の彫刻、絵画などに関する文献収集などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は4年間の研究期間の最終年度に当たっており、申請時の予定では、2回渡航して北イタリアのロンバルディア州のオッスッチョやチェルヴェーノのサクロ・モンテを踏査し、礼拝堂群の現状確認や写真撮影、文献収集・閲覧、情報収集などを行うとともに、2回目の渡航時には、閲覧・収集しきれていない文献をフィレンツェの美術史研究所(Kunsthistorishes Institut in Florenz)で閲覧・収集する予定であった。しかし新型コロナ感染症のパンデミックにより、2年半以上も渡航できておらず、北西イタリアの現地での再調査・現状確認や写真撮影、文献閲覧・収集を実現できなかった。 既に2020年度の段階で、ピエモンテ州とロンバルディア州の諸サクロ・モンテ(ドモドッソラ、ガッリアーテ、モンタ、ヴァレーゼ、アローナなど)の調査・研究ができておらず、それらを含めれば調査・研究はかなり遅れている言わざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度から4年間の研究期間のうち2年目に当たる2019年の後半からパンデミックとなり、2020年度はもちろん、最終年度に当たる2021年度も海外渡航は不可能な状況であった。そこで感染の収束を願いながら研究期間を1年延長させて頂いたが、2022年4月の現状ではまだ渡航は許されない状況にある。従って、当面は、今後の感染状況の変化に注意しながら、国内で可能な範囲で文献収集・精読に努め、論文の執筆や遠隔による成果発表を中心に研究を進めるしかないと考えている。しかし同時に、渡航が可能になり次第現地調査に出かけられるよう下準備も怠らないようにしたいと思ってもいる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額(研究期間延長使用額)が生じたのは、新型コロナ感染症のパンデミックにより、計画していた海外渡航による現地踏査・調査が2年半以上も実施できていないことが最大の理由である。また、国内移動ですら自粛を余儀なくされ、学会等もリモートで開催されているためでもある。つまり、最大の費目であるフィールド・ワークのための旅費を使用していないことが、次年度使用額が生じた理由である。 令和4年度に入ったものの、新型コロナは一向に終息を見せる気配はないが、1年の延長期間にイタリアへの渡航が許されるならば、実施できなかった現地調査・写真撮影を是非とも実現したい。また、令和4年度も渡航が許されない場合は、できる範囲で資料収集を行いながら、研究を進める予定である。
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