2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00177
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
関根 浩子 崇城大学, 芸術学部, 教授 (10553589)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サクロ・モンテ / ヴァラッロ / 礼拝堂装飾 / ピエモンテ州 / ロンバルディア州 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は2018年度から2021年度までの4年間でイタリア北西部の主要なサクロ・モンテの礼拝堂装飾の全体像と、装飾に従事した芸術家たち(塑像家や画家、建築家など)の全体的把握並びに彼らのサクロ・モンテ間の移動の有無や影響関係を解明し、解明結果をできる限り視覚的、図式的に明示することを目的としている。 本研究は2021年度が最終年度であったが、新型コロナ感染症感染拡大が収束せず、海外調査を実施できなかったため、研究の1年延長を申請して2022年度一杯までの延長を承認された。そして2022年度において、2021年度に実施できなかったロンバルディア州の主要なサクロ・モンテの現状確認や写真撮影、文献閲覧・収集、現地関係者からの情報収集を行うとともに、閲覧できていない文献をフィレンツェの美術史研究所で閲覧・収集する予定で渡航機会を伺っていた。しかし、2022年度も感染が収束しなかったことや大学業務、年度末における研究室の引越作業等のために海外調査を実現できなかった。このように海外における現地調査ができなくなってから既に3年半が経過し、フィールドワークによる調査・写真撮影・文献や情報収集が大幅に遅れているため、研究期間をさらに1年再延長(2023年度まで)する申請を行って承認頂くことができたため、2023年度で可能な限り遅れを取り戻せるよう努力する所存である。 2022年度の実績としては、2020・2021年度の執筆したオルタとドモドッソラのサクロ・モンテに続き、最も重要かつ有名なヴァラッロのサクロ・モンテの礼拝堂装飾の全体像や装飾に従事した芸術家たちについての把握・整理を開始し、その三分の一を論文として活字化(「ヴァラッロのサクロ・モンテの礼拝堂装飾(1)」)した他、鹿児島市立美術館でヴァラッロのサクロ・モンテの芸術家についての講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来は2021年度が研究の最終年度に当たっていたが、新型コロナ感染症のパンデミックにより海外調査が実現できず、2022年度一杯までの延長を申請して承認頂いたものの、新型コロナ感染症の第8波の猛威や所属大学の諸業務のために、2022年度も予定していた北西イタリアのサクロ・モンテ群(ドモドッソラ、ヴァレーゼ、オッスッチョ、アローナ、ガッリアーテ、モンタなど)の現地調査による礼拝堂群や堂内の作品群の現状確認や写真撮影、文献収集・閲覧、情報収集などを実施できなかったためである。かつて収集した書籍や論文、インターネットや日本国内で入手・閲覧できる論文、かつて撮影した写真や提供頂いた写真などを中心に研究を進めるしかなかったことも、遅れていると判断した根拠の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度から4年間の研究期間のうち2年目に当たる2019年度の後半から新型コロナ感染症のパンデミックが起こり、最終年度の2021年度どころか、延長を承認頂いた2022年度も海外渡航は困難な状況にあった。そこで研究期間の再延長を申請し、大変有難いことに2023年度一杯までの延長を許可頂くことができた。また、幸いなことに、2023年に入って新型コロナの感染者数も減少し、政府が5月8日に新型コロナウィルスを、感染症法上季節性インフルエンザなどど同じ「5類」に移行させる方針を示してもいるため、4月末から5月初旬の連休を利用して北西イタリアでの現地調査を敢行するため、目下、世界遺産サクロ・モンテ群の管理財団や関係者への訪問・写真撮影許可申請、当日の立ち会い・礼拝堂の開錠依頼を行いながら準備を進めている。調査・撮影予定地(場所)は、オッスッチョ、ヴァレーゼ、ドモドッソラ、オルタ、ヴァラッロのサクロ・モンテの礼拝堂群の堂内の壁画や彫刻作品と、アンブロジアーナ図書館内やミラノ大聖堂のディオニジ・ブッソラの彫刻群などである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額(研究期間再延長使用額)が生じたのは、新型コロナ感染症の感染拡大が収束せず、予定していた海外渡航による現地(北西イタリアの山岳地帯)踏査・調査が3年半以上も実施できていないことが最大の理由である。つまり、最大の支出項目であるフィールド・ワークのための旅費を使用していないことが、次年度使用額が生じた最大の理由である。また、国内の移動ですら自粛を要請され、これまで交通費等が必要であった学会や研究会参加等も、オンラインや、可能な場合は対面とオンラインによるハイフレックスで開催され、やはり旅費の支出が殆どなかったためでもある。 令和5年になって次第に第8波が収まり、5月初旬には新型コロナが5類に移行するため、3年半実施できていなかった現地調査を4月末から5月上旬までの連休を利用して実施し、これまでの遅れを可能な限り挽回する予定である。円安や国際情勢に起因する物価の高騰によって海外調査には多額の旅費(二次交通費を含む)や宿泊・滞在費、文献・資料収集費、調査協力費(謝金)などの出費が伴う。また、令和5年度は従来の対面での学会開催が再開されると考えられるため、参加費や交通費などの使用も見込まれる。
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Research Products
(2 results)