2023 Fiscal Year Research-status Report
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18K00177
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
関根 浩子 崇城大学, 芸術学部, 教授 (10553589)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サクロ・モンテ / ヴァラッロ / 礼拝堂装飾 / シルヴァ一家 / モルビオ・インフェリオーレ / 移動 / ティチーノ州 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症のために3年間渡航による現地での調査・研究を実施できない状態にあったが、2023年4月に同感染症が5類に移行したことをうけて、さっそく4月末から5月初旬まで渡伊し、事前に調査依頼を行って許可されたサクロ・モンテ群(オッスッチョ、ヴァレーゼ、ドモドッソラ、ヴァラッロ、オルタ)や、サクロ・モンテ装飾に従事した作家(ディオニジ・ブッソラ)の作品の現地調査・作品写真撮影、関連文献・資料収集などを行った。 また、調査したサクロ・モンテ群のうち、ヴァラッロのサクロ・モンテとその礼拝堂装飾に関する論考の続き((2)として投稿)を、所属大学の『芸術学部研究紀要』(第17号)に投稿して活字化した。 さらに、イタリアの複数のサクロ・モンテの礼拝堂装飾に従事したスイスのティチーノ州モルビオ・インフェリオーレ出身のフランチェスコを始祖とするシルヴァ家3代について調査・研究を進め、その調査結果を、イタリア・スイス大学のアルプス史研究センター(LabiSAlp)で開催された国際学会(京都大学教授・佐藤公美氏研究代表の基盤研究(B)研究:「中近世アルプス地域の空間的・社会的モビリティー:境域の政治・宗教・社会の動的展開」の一環)において研究協力者として口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
美術史研究は現地調査(作品の実見・現状確認、写真撮影など)が基本であるにも拘わらず、新型コロナ感染症のパンデミックにより、3年もの間、研究対象が存在する北西イタリアの山岳地域に赴くことができなかったことが研究の遅れの最大の理由である。しかし研究期間の延長を許可いただけた上、当該感染症の5類以降によってようやく渡航も可能となって2023年度は2回渡航でき、遅れを多少とも取り戻すことができたため「(3)やや遅れている」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の「再延長」を申請して許可頂けたため、2024年度が最終年度となる。最終年度には、これまでの調査・研究の成果を可能な限り公開していく必要があると考えるため、口頭発表並びに論文等の形で成果発表に努める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のパンデミックのため3年間海外調査ができず、研究期間の1年延長を申請したが、1年の延長では3年間の活動費用を全額使用することは不可能であったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。 2023年末の国際学会参加と調査に関する費用は令和6年度予算で支出しているため、残額は学会参加や現地調査などに使用する予定である。
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