2019 Fiscal Year Research-status Report
古代性の指標としての様式-東地中海世界における古代末期壁画様式研究-
Project/Area Number |
18K00181
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮坂 朋 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (80271790)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 壁画 / 様式 / ローマ / 古代末期 / レバノン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2世紀から5世紀の東地中海世界の壁画の様式の発展を明らかにし、ヘレニズム様式からのかけ離れを評価することにより、古代の終焉の時期を明確にすることである。研究方法は、ローマの専門図書館での古代地中海壁画に関する文献調査と、未だ集大成の作成されていないレバノンのローマ壁画に 関する実地調査による、作品のカタログ化と編年から構成される。 平成31年度(令和元年)は、レバノンの政治情勢が依然不安定であり、かつ3月に予定していたイタリア、ローマに存在する考古学美術史専門図書館における資料収集も、新型コロナウィルスの蔓延による渡航自粛で不可能となった。また2度計画していた国内図書館における文献調査も1回しか行うことができなかった。 従って、新たな資料収集は困難であったものの、これまで収集した文献および画像資料を使って、分析を行った。その成果の一部は、論文「アッティス―ヴィア・ラティーナ・カタコンベ壁画と古代末期のシンクレティズム―」(『弘前大学人文社会科学部人文社会論叢』第7号、2019年8月、1-12)にまとめ、学会発表「レバノンのローマ壁画」(第26回ヘレニズム~イスラーム考古学研究会」、金沢大学、2019年7月7日)において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31年度(令和元年)は、レバノンの政治情勢が依然不安定であり、かつ3月に予定していたイタリア・ローマの専門図書館及び国内専門図書館における資料収集も、新型コロナウィルスの蔓延による渡航・移動自粛で不可能となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外の情勢が継続的に渡航を許さないものである可能性が今年中は高いため、日本国内における文献画像調査の比重を高める。可能となり次第、海外調査を行う。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、国内の移動および海外渡航が不可能になったため、出張のキャンセルにより、当該助成金が生じた。翌年度分として請求した助成金と合計した使用計画については、図書購入費を増やし、海外調査が可能になり次第実施し、不可能であれば国内旅費に充てることにする。
|