2021 Fiscal Year Research-status Report
礼拝像・祭具制作における素材選択の心性史：材質とその聖性の喧伝に関する調査・研究
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18K00202
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| Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
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Principal Investigator |
児島 大輔 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立美術館, 学芸員 (50582376)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 素材 / 御衣木 / 銀仏 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続き礼拝対象となる作品の素材に注目しながら聖性を獲得する過程とその心性を明らかとすることを目的とした調査・研究をおこなった。当初の研究計画では本年度が本研究課題の補助事業の最終年度の予定であったが、一昨年度来の新型コロナウィルスによる感染症の拡大とその防止を目的とした施策等および本務の形態の変更等のために調査を目的とした出張が制限されるなど、研究活動は著しく制限された。このため、本年度予定していた多くの調査等を断念し、やむを得ず来年度へ持ち越すことを余儀なくされた。これにより昨年度持ち越した調査や本年度予定していた調査及び研究成果の取りまとめ等については、来年度へ先送りすることとした。
そうした中で、本年度の成果のひとつとして木俣元一・近本謙介編『宗教遺産テクスト学の創成』（勉誠出版、2022年）に論文「仏教美術史から宗教遺産学へ―研究史から見た課題と展望」を寄稿することができた。本稿は本研究課題とも密接にかかわる以下の諸点について研究史をまとめ今後の課題について問題提起したもので、①仏教美術における音、②古代憧憬と描かれた歴史の音、③木彫仏像の用材、④御衣木と御衣絹、⑤研究資料としての修理報告書と展覧会図録、⑥銀仏と追善のかたち、についてまとめたものである。また、勤務する大阪市立美術館において担当したコレクション展のうち「桃山へ、桃山から 中近世工芸の諸相」と「秀麗精緻 明清時代の工芸」では、素材と造形に注目してもらえるようその特質について触れるような解説を心掛けた。この成果についてはそれぞれ『大阪市立美術館紀要』22（大阪市立美術館、2022年）に「コレクション展報告」として掲載している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では本年度が本研究課題の補助事業の最終年度の予定であった。ところが、一昨年度以来の新型コロナウィルスによる感染症の拡大とその防止を目的とした施策等および勤務館の本務の形態の変更等のために、調査を目的とした出張が制限されるなど研究活動は著しく制限された。このため、本年度予定していた多くの調査等を断念し、やむを得ず来年度へ持ち越すこととした。また、補助事業の最終年度として予定としていた研究成果の取りまとめ等についても、来年度へ先送りすることとした。
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度も礼拝対象となる「モノ」の素材・物性に注目しながら、それらが聖性・霊性を獲得する過程とその心性を明らかとすることを目的とした調査・研究を引き続きおこなう。特にこれまで予定していた調査を実施するとともに、本研究課題の補助事業の最終年度としてこれまでの成果を踏まえて研究成果の取りまとめをおこなう。
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| Causes of Carryover |
当初の研究計画では本年度が本研究課題の補助事業の最終年度の予定であったが、一昨年度来の新型コロナウィルスによる感染症の拡大とその防止の観点から接触機会の減少等を目的とした施策等および本務の形態の変更等のため、調査を目的とした出張が制限されるなど研究活動は著しく制限された。このため、本年度予定していた多くの調査等を断念し、やむを得ず次年度へ持ち越すこととした。また、事業最終年度として取り組む予定であった研究成果の取りまとめ等についても次年度へ先送りすることとした。本年度で終了する予定であったため、来年度分として請求している助成金はない。本年度より繰越す研究費を有意義に使用して残された調査をおこなうとともに最終年度として研究成果をまとめたい。
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