2023 Fiscal Year Annual Research Report
The psychohistory of material selection in the production of worship statues and ritual objects; Research and studies on materials and the clamour for their sanctity.
Project/Area Number |
18K00202
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
児島 大輔 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (50582376)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 仏教美術 / 仏像 / 供養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究の最終年度で、引き続き素材と聖性の関係に注意しながら聖性を獲得する過程とその心性を明らかとすることを目的として、礼拝の対象となる彫刻・工芸等の美術作品の調査・研究を行った。こうした調査・研究の成果については、所属機関である東京国立博物館で開催した次の展覧会等でもその一部を公表した。①浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」(2023年9月16日~11月12日)、②建立900年 特別展「中尊寺金色堂」(2024年1月23日~4月14日)。いずれも展示および図録等で本研究の成果を広く公表することができた。 また、本研究課題の遂行期間はいわゆるコロナ禍にあたり、当初の研究計画段階では調査を企図しながら実施することのかなわなかった調査研究対象案件が遺憾ながら複数残された。これらについては、礼拝像が聖性を獲得する過程でその素材が果たす役割に注目する本研究の視点はなお有効であると考えられるため、本研究を発展的に継承するJSPS科学研究費の補助を受ける研究課題「造形化された聖性:仏像・青銅器等の礼拝像・祭具制作における心性に関する調査・研究」(基盤研究(C)23K00184)において引き続き継続して調査・研究を行うこととしたい。 本研究の遂行にご協力いただいた方々、とりわけ困難な時期にもかかわらずご協力いただいた調査対象仏像等の所蔵寺院をはじめ、作品等を管理する美術館・博物館関係各位に感謝申し上げる。
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