2021 Fiscal Year Research-status Report
障害者の芸術表現をoperaにする社会システムの研究:社会的排除の克服にむけて
Project/Area Number |
18K00207
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川井田 祥子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (40567632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50154000)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害者 / 社会的包摂 / 表現活動 / 承認 / well-being / opera / キャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究実績として、まず11/28に実施した「包摂型アート研究会」が挙げられる。これは同年に開催された東京パラリンピック競技大会の開会式でパフォーマンスを披露した障害をもつアーティストたち(ダンサーの森田かずよ氏、パフォーマーの中村大輝氏)と、ステージアドバイザーの栗栖良依氏を招いて実施した。開会式会場へのアクセス支援を行ったり、当日までの準備をサポートする支援者の存在など、環境整備を十全に行えば、誰にでも可能性が拓かれることを再認識できた。加えて、パラリンピック開会式という世界的に注目される舞台で、ソロダンスを披露した森田氏のキャリアアップに大きく寄与し、「opera」(ラテン語で「仕事」を意味し、生きる喜びの発露となるような働き方をいう)を具現化した好例としても考えられる。 もうひとつの実績は、デザイナーの川﨑富美氏を附属特別支援学校へ講師として招き、高等部の生徒たちとワークショップを行ったことである。生徒一人ひとりの表現意欲が引き出されるとともに、仲間と一緒にものづくりを行う経験は、着実にセルフエスティームがはぐくまれていることを参与観察できた。発達論の観点から、「学校から社会」への移行をスムーズに行うための教育実践とは何か、どの生徒もoperaを実現するための発達保障に関して考察を続けていく予定である。 他に、文部科学省が提唱している「キャリア教育」を、障害のある児童生徒に対してどのように実践していくべきか、文献調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、インタビュー調査に出かけることが難しい状況が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン会議を駆使し、インタビュー調査や研究会の企画運営に努める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によりインタビュー調査に出かけることや、研究開催を頻繁に行うことが難しくなったため、次年度へ繰り延べとなった。R4年度はオンライン会議を活用しながら研究を遂行するとともに、論文執筆にも努めていく。
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