2020 Fiscal Year Research-status Report
フォトグラメトリーによる動的人体の3Dデータ取得と享受の研究
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18K00211
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
吉岡 俊直 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (80329870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 史明 筑波大学, 芸術系, 助教 (30512884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトグラメトリー / 3DCG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度にあたる20年度は新型コロナウイルス感染症対策として、大学内への立ち入り禁止が4月から7月まで続いた。その後、徐々に入構規制が緩和されたが、ゼミ学生対応や学務対応に追われ研究が滞る状態となった。ただ、前半の在宅研究期間中に機材の一部を自宅に設置し、研究の試行を行う事ができた。具体的には、動画素材を利用したフォトグラメトリーによる4Dデータ取得である。本来は全身データを想定していたが、在宅での研究ということもあり、顔、頭部に限って計測を行なった。ただ、原理的には全身像も頭部も同一なので、研究の準備としては十分な検証が行えた。 今後、全身データの取得が大学内で行えたとして、その後の研究を想定した予備研究も行なった。快適な3Dデータのブラウシング研究である。本研究は人物表現に特化した人体造形資料として最適な資料提示方法を構築することも研究テーマとしている。時間軸を持った3Dデータ(4D)が取得された前提で研究をすすめた。3DデータをアプリケーションやプラグインなしにWEBブラウザのみで閲覧できるthree.js技術を採用。その入力形式として閲覧データのファイル形式をgltfもしくはglbに統一することにした。この部分の検証は設備には依存しないので、オンラインやメールでのやり取りで共同研究者や専門家とのやり取りで絞り込んで行った。 20年度9月に予定していた香港での国際会議INPACT11での研究発表は、当初の9月とは大幅に変更となり、2月にオンライン発表形式に変わった。前倒しで発表内容を準備することが困難だったため、辞退することにした。ただ、エントリーの時点で研究テーマ、研究内容の審査を受け、ランクAで通過したことは、研究内容の新規性が認められた事を自認する機会になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
20年度が研究期間の最終年度で、これまでの2年間で培った、静止画ベースのフォトグラメトリー技術の検証を基にしつつ、動画撮影による4Dデータ所得、データの閲覧システムの構築をもって研究成果を報告する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響で、20年度の半分は設備的に研究が進まない状態であった。残りの後半もコロナ禍の影響で従来なかった対応に追われることとなり、思うように研究が進まなかった。そこで、(F-14)補助事業期間延長承認申請書を提出(承認済み)し、研究期間を一年延長することとした。 20年度に予定していた研究を21年度に行うとして、20年度も全く研究が進まなかったわけでない。在宅研究中にデータの整理や検証、在宅でも利用可な機器を自宅に設置し、コロナが収束した際の予備研究を進めていった。当初のスケジュールと照らし合わせても、これまでの2年間の研究は予定どおり。最後の年度が先送りになったものの、予備研究で得られたデータを基にして加速させれば、十分に21年度中に研究を完結させ、報告することは可能だと考えている。 具体的には、これまでの2年間で、フォトグラメトリー設備を構築し、静止画をベースに、表面や光源による立体化の影響を考察。立体化の向上を目的としてランダムパターンの投影、HDR撮影を検証する。後の研究につながる動く被写体に対する抗性も調査した。 19年度は研究の中間発表として、研究成果を展示形式で発表。合わせてWEB上に本研究のポータルサイトを立ち上げた。20年度は上記のように研究、成果発表は可能な限り。という状態だったが、延長した21年度に最終年度に予定していた内容を先送りした状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の状況に対して確定的なことは言えないが、大学内への入構規制は明らかに短くなってきている。大学内の施設を使用できる期間に、集中的にデータ収集を行い、そのデータの分類、解析、検証をする作業は仮に在宅研究となっても可能だ。また、共同研究者とのミーティングやWEB構築に対する打ち合わせなどは、オンライン上で進めることもできる。補助事業期間延長承認申請書を提出し研究期間を1年延長した。今年度が最終年度だが、実際の機器や設備を使う研究の占めるウエイトは少なくなってきている。具体的には、立体化のさらなる向上のためのカメラ・ライティングの設定を検証。フォトグラメトリー用の動画撮影。ブラウジング用のモデルを使用した動画撮影。などが残されている。 現在、再び大学内での研究が禁止されているが、このまま、年度内全面的に禁止は考えにくい。今後、入構可能になった際に、集中して実地の計測、研究を行う準備を進めてゆく。また、さらに予備研究として在宅でも可能なブラウジングシステムの研究など、設備に依存しない部分を進める事はできる。基本的に21年度中に研究成果報告を行う事を前提としている。 研究成果の報告に関しては、かなり限定的となる可能性もある。学会発表や対面プレゼンテーションの機会は延期、中止が相次いでいるからだ。今後はオンライン上での発表、WEB上での公開にシフトさせ研究発表の機会を模索してゆく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により研究が滞り、補助事業期間延長承認申請書を提出した。よって、研究期間が1年延長となり、研究費支出も次年度へ繰り越すこととなった。使用計画は20年度の計画と同等。
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Remarks |
研究代表者の研究内容ポータルサイト
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Research Products
(1 results)