2021 Fiscal Year Annual Research Report
International Comparative Study on the Background and Structure of Cultural Policies in the Countries with Decentralized Capital Functions
Project/Area Number |
18K00216
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
秋野 有紀 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (30708590)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 文化政策 / 地方分権 / 首都機能移転 / ドイツ / 日本 / 米国 / コロナ禍芸術文化支援 / 芸術家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、文化政策研究において国際的に使用されてきた3種類の分類(「中央集権型」「地方分権型」「民間主導型」)を批判的に再検証することにある。それにより、日本の文脈との関連で言えば、政府機関の地方移転(文化庁の京都全面移転等)を進めて政策の機能強化を目指している今日の日本の文化政策の参照項を得ることも意図している。 本年度も、コロナ禍により渡航調査は実施せず、文献・文書資料によって対象国(ドイツ、米国、日本)の中央・地方の連携を主に考察した。その際、前年度に引き続き、コロナ禍を背景に登場した新しいタイプの(暫定的)支援措置と、申請当時に想定していた歴史的経緯の反映としての制度変更とのいずれの路線にあるのかを見定め、明らかにする点に留意した。 コロナ禍に伴って、歴史的にタブーであった連邦政府の関与の拡大や、積年の課題がようやく政策の議論に乗ることになったという前進も見られた。そのため、コロナ禍に連動して着手された政策のすべてが、暫定的なものであるわけではなく、改革が急速に進んだという側面も看過できない。 それと同時に、グローバル化・情報化する社会で、各国が支援する「文化」の概念には、歴史的経緯があり、それぞれの特徴がみられるものの、空前のパンデミックで各国の芸術家たちが情報網を駆使して既存の政策・制度批判を行う一種の運動が現れたために、政策・制度の外観の部分で、各国の相互影響が見られ、文化政策のある種の「国際標準化」が進んだ部分も観察された。
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Research Products
(2 results)