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2018 Fiscal Year Research-status Report

Fusing Art Activities of Jaoanese Painting and Clinical Art : Synthetic Development with Psychological Approaches

Research Project

Project/Area Number 18K00219
Research InstitutionBunka Gakuen University

Principal Investigator

柴田 眞美  文化学園大学, 造形学部, 教授 (10260978)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉田 秀二郎  文化学園大学, 現代文化学部, 教授 (70350204)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords日本画 / 臨床美術 / 心理尺度 / 質的分析
Outline of Annual Research Achievements

大自然の持つ根源的な力に対する畏敬の念を有する「日本画」と、人間の本能的な創作表現の喜びを重んじる「臨床美術」に親和性を見出し、両者を融合した初学者向けの新たな創作実践を「心理学的質的分析と構造化」により出来うる限り理論的裏付けを有したものとして開発するという本研究の目的に照らし、いくつかの創作実践および心理学的振り返りアンケートを実施した。
本格的な日本画用用具や顔料等を揃え創作実践環境を整え、日本画と臨床美術を専門とする研究代表者が、7月から1月にかけて統制群を含む3種類の創作実践(「一般的な水溶性画材を用いるが臨床美術的アプローチが濃厚なもの」、「日本画の画材を用い、臨床美術的アプローチ(音楽を聴きながらの感性画や思うがままの動勢や量感を描く)を取り入れたもの」、「画材も一般的なもので手法も従来の描写的表現から入るもの」)を実施した。
その際に、心理学を専門とする研究分担者により、<課題全般>、<素材や自己の心との対話>、<心理的感触>に関する複数の項目群と、<制作後の気分>に関する心理尺度、<思い出したエピソード>についての設問を内容とする「振り返りアンケート」が実施され、200名(360データ)ほどの回答を得た。現在、尺度法の分析においてある程度の傾向を掴みつつあるが、なお詳細な分析を行なうと共に、記述部分の読み込みにより、質的分析の構造化に向けた概念の構築を検討中である。
創作実践によって得られた作品の一部を11月初旬の大学行事において公開展示し、記述的成果として、これまでの実践及び当該年度の実践の一部を対象とした、『「日本画と臨床美術を融合した創作実践ー心理学的質的分析と構造化による開発ー」のための予備調査』として、文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要第50集にまとめ(研究ノート)、本研究の核になる質的分析の構造化に際しての概念候補群を浮上させた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本格的な日本画用用具や顔料等の材料を揃え、十分な創作実践環境を整備することが出来た。その環境のもと、3種類の創作実践を比較検討すべく実施し、それぞれの実施の際に心理学的手法による「振り返りアンケート」調査を行い、ほぼ200名(360データ)に及ぶ回答データを収集することが出来た。
当初の計画よりも得られた回答数が多かったこともあり、これらの読み取りと分析にやや時間がかかっているものの、途中経過として、創作実践で得られた作品群の一部の公開展示と、初動としての研究ノートを本学紀要へ掲載した。また、当初の予定にはなかったが、12月に研究代表者が参加した展覧会において、日本画画材や臨床美術的手法を用いた一般向けのワークショップを開催する機会を得ることが出来、このことによりより広く社会における「美術の力」について検討していく意義の示唆をも得るに至った。これらのことにより、おおむね順調な進捗状況であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

現在収集されているデータの読み取りと分析をさらに詳細に進め、その結果を踏まえて、より効果的な創作実践内容を考え、初学者を対象に実施する。その際に、心理学的な設問事項についても改善して「振り返りアンケート」調査を実施する。さらに初学者ばかりではなく、臨床美術を修め自らも制作活動を継続している方々を対象に、心理尺度及び記述によるアンケート調査を実施する。また、初年度に期せずして得ることが出来た一般人へのワークショップの経験を踏まえ、広く「美術」というものの社会での捉えられ方をも視野に含ませるため、一般の方々を対象にした、美術についての心理学的査を含めていきたい。
本研究では、「美術」という極めて情感的なものを、出来うる限り理論的裏付けを有しつつ、異文化圏にも通用する創作実践として開発する事を目的としているため、海外の研究者ともコンタクトをとり、異文化圏での実施の機会を得ていきたいと考えている。

Causes of Carryover

臨床美術を修めた作家の方々を対象にしたアンケート調査協力への謝金、創作実践に用いる材料の補填、一般の方々を対象とした美術に対する心理学的調査費用、海外の研究者との共同実施費用。

Remarks

日本画と臨床美術を応用した日本画作品を発表した。(第44回 春季創画展に日本画「スカルの生成」(西武ギャラリー,4.18-22)、第44回 創画展に日本画「トロイの木馬はかくありきか」(東京都美術館,10.24-30)
また、昭和記念公園において、一般向け「日本画と臨床美術の創作実践」のワークショップを開催した(12.1~2)。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 「日本画と臨床美術を融合した創作実践ー心理学的質的分析と構造化による開発ー」のための予備調査2019

    • Author(s)
      柴田眞美
    • Journal Title

      文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要

      Volume: 50 Pages: 49-58

    • Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

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