2018 Fiscal Year Research-status Report
The interaction and develipment of artistic anatomy education -Through the comparison with the education in Germany, UK, USA and NZ-
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18K00227
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
宮永 美知代 東京藝術大学, 美術学部, 助教 (70200194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正裕 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (00232471)
木下 史青 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (20321549)
岩井 治樹 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30452949)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 美術解剖学 / 教育 / ドイツ / NZ / UK / USA / 韓国 / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.USAのCalArtsの V.Winslowの ”Classic Human Anatomy in Motion"を訳出し『モーションを描くための美術解剖学』として上梓した。動きの主体となる筋の微細構造、皮下脂肪、割線等は従来の美術解剖学より医学的詳細を詳述すると同時に、動く人体から感じられるムーヴマンや有機的構成(コントラポスト)を実践的ドローイングを通して説明する、プラクティカルなであることが導き出された。韓国ソウルでの『韓日美術解剖学シンポジウム』(2018.10.13 ソウル大学校医科大学癌研究所)に参加し、韓国の美術解剖学の現状の一端を調査した。伝統的肖像画を現代に活かす描画に主眼を置き、線描で人物を表現する特徴が、上記のUSAとは対照的である。 2.「顔を計る」(寺田員人と共著)が『甲北信越矯正歯科学会雑誌26(1)』に総説として掲載(pp.1-12)。 「異国人の顔をどう表現したのか 絵画・彫刻からの考察」を口頭発表。日本の美術解剖学で扱う3大差異のうちの1つ、環境による差異(人種差)について、仮面、屏風絵等日本の伝統的な美術表現から考察した。(『韓日美術解剖学シンポジウム』)また、「絵画における笑顔-歯の意味を考察する-」を口頭発表した。(『2018年度日本図学会秋季大会』(大妻女子大学)2018.12.9)さらに同大会において「人体の水平と垂直-裸婦ドローイングを通して-」を展示発表した。以上は顔をテーマとしている。 3.「ローテクの意義-子供にとっての触覚教育-」を『美術教育の森』に総説として寄稿した(美術教育研究室企画実行委員会編 pp.104-105 2018.12.24)。これは『美術解剖学雑誌21(1)』に掲載予定のNZのL.Baillieによる、幼児期に自然の中で育まれる体験の重要性に関する論とともに、触覚教育の重要性を考察するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NZの研究者Baillieと美術における「触覚の重要性」と「手」をキーワードに共に研究が進んでいる。韓国での美術解剖学の現状についての調査を行うことができた。その他、欧米の地域については間接的な調査を行った。今後は現地での調査の必要性が見込まれている。
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Strategy for Future Research Activity |
NZの研究者Baillieと美術における「触覚の重要性」と「手」をキーワードに共同研究を進める(宮永、岩井、木下)。USAのV.L.Winslowの美術解剖学教育について調査し、機能主義的、実践的に感じられる美術解剖学の教授に接し、その内容をまとめることかが中心となる(宮永、岩井、木下) 。これと平行してBaillieとの「触覚と手」の重要性に関する研究を進め、解剖実習からの成果を含めて研究発表を行う(宮永、伊藤、岩井、木下)。
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Causes of Carryover |
旅費について、昨年度は海外への調査・発表が隣国の韓国のみであったため、旅費として計上していた費用を本年度にまわすこととした。加えて、本年度、共同研究のためNZより研究者が来訪する予定であるため、このためにも使用する予定である。 人件費について、次年度以降の集中的な書類整理に回すこととした。
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Research Products
(4 results)