2020 Fiscal Year Research-status Report
Preservation and Restration Theory for Sustaining 20th Century Media Artworks into the 22nd Century
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18K00231
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西島 治樹 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (50413191)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メディアアート / 保存修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
メディアアート作品の保存修復は、歴史が浅いため、絵画や彫刻といった既存芸術が蓄積してきたような方法論が不足している。本研究は、デジタルテクノロ ジーを実装したメディアアート作品の保存と修復の可能性を(1)技術的方策(2)社会的制度の2つの側面から検証する。本年度は、ノルウェー公文書館、国家記銘院 IPN (ポーランド)の戦争資料の管理、収集、公開を中心としたアーカイブの低温保存について、社会的制度の見地から海外調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルスの感染防止の観点から海外渡航を見合わせた。調査対象を国内の文化財保存施設に変更し、文化財としての価値を有する農業機械や動作を含む機械的な民具を収蔵している富山県砺波市の博物館施設を調査した。具体的な資料の保管状況や修復の状態、また周辺の気候を含めた保存環境の実態を確認した。動的な機構を有した民具の保存方法をメディアアートの保存修復に置き換えて次年度の検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、研究対象である海外調査(ノルウェー公文書館、国家記銘院 IPN (ポーランド))について、海外渡航自粛の時期にあり、調査対象を国内の文化財保存施設に切り替えたため、当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外渡航の規制が緩和された場合、当初予定していた欧州や米国での現地調査を再開する予定である。引き続き渡航が困難な場合は、国内の博物館施設等を対象とした調査に重点を絞り、機構を有した文化財など、メディアアートの特徴と類似性の高い保存修復の各種事例を参考にメディアアート作品の保存方法を検討する。
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Causes of Carryover |
海外調査の経費として支出の予定であったが、新型コロナウィルス感染予防の観点から支出しなかった。次年度も海外渡航の実現性は不透明なため、次年度使用額は、国内調査経費やメディアアート作品の保存修復に関する実験に必要な物品費などへの使用を予定している。
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