2020 Fiscal Year Research-status Report
社会的に拡張する演劇団体のプラクティスに関する研究
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18K00236
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
五島 朋子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (80403369)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 地域演劇 / 劇団活動 / ソーシャル・プラクティス / シニア演劇 / 公立文化施設 / 鳥取市民劇場 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地方都市における演劇団体の活動領域の広がりを把握し、演劇団体が担う文化的役割の変化と社会的役割への拡張状況を明らかにすることにある。今年度はコロナ禍のため、各地の演劇活動は非常に困難になった。そのため予定していた量的調査は見合わせ、具体的な社会的課題を絞り込こみ、資料調査（シニア演劇と市民劇）、および、演劇教育に携わる劇団主宰者への聞き取り調査を進めた。研究実績は以下のとおりである。
１）アマチュアの高齢者による演劇活動のデータをインターネット、新聞記事検索、既往研究から網羅的に収集し、昨年度までに実施したシニア演劇指導者へのインタビューを含め、演劇人による高齢者演劇の広がりとその意義を検討し２篇の論考にまとめた。２）「劇団鳥取市民劇場」主宰者難波忠男氏が残した公演・活動記録の閲覧が可能になり資料調査を行った。この劇団は、NHK放送劇団を母体に、1965年に鳥取市で誕生したもので、その活動は演劇作品の上演にとどまらず、市民による文化的環境整備（鑑賞団体の創設、地域資源を掘り起こし上演する市民劇の活動、文化施設整備の機運醸成など）に多様な役割を果たしたことが明らかになった。３）福岡市を中心に、長期的にわたり活動を継続している劇団主宰者への聞き取り調査を継続している。都市部では、高等学校、専門学校などの教育機関で演劇や演技を専門的に指導する機会を得ることができること、また地元のタレント、モデル事務所と連携した商業ベースの展開機会があることなどから一定規模以上の都市と、人口規模の小さな都市では、演劇活動の社会的な拡張の方向性に違いがあることが示唆された。また、当該の地域に立地する公立文化施設（公共劇場）の事業展開が、劇団活動の方向性に大きな影響を与えていることが、福岡市と北九州市における劇団活動状況の違いから見えてきた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により今年度当初は、地方都市の劇団の活動状況も大きく影響を受けた。昨年度中に準備していた量的調査を見合わせざるを得なくなり、劇団活動の社会的拡張ぶりを網羅的に把握することが難しくなったこと、また県域を超えた移動が困難となり、予定していた現地調査を取りやめたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究実績に記入した２）と３）の事項について、追加調査（資料調査および関係者インタビュー）を継続し、（１）地方都市における劇団・演劇活動の社会的・文化的役割の広がりについて、鳥取市の事例を通じ歴史的に振り返る論考、（２）地方中核都市における演劇活動の展開について、地域特性、行政の関与といった観点から整理し、演劇活動の社会的な役割の多様性と可能性、および、活動が社会的に拡張していくための条件を検討し、論考をまとめる。
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| Causes of Carryover |
中国・九州地方を中心にしつつ、各地の劇団の公演および社会的な活動事例を訪問調査する予定でいたが、コロナ禍のため、公演や活動自体の取りやめ、また居住地からの県を跨いだ移動ができず、旅費と訪問先での情報提供者へ支払う謝金の支出が減ったため。演劇団体の活動状況把握のための、戯曲や映像資料収集・購入、これらの整理および適切な保存のために必要な作業の人件費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)
