2019 Fiscal Year Research-status Report
21世紀のメディア環境における「ラジオドラマ」の意義に関する総合的研究
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18K00243
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
広瀬 正浩 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (80613299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 あけみ 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30555058)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラジオドラマ / ラジオ放送 / 大衆文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究論文については、本科研費の助成を受けて2018年度に広瀬正浩(研究代表者)が著した「機械を通じて“自然”を感じる――一九三〇年代の日本のラジオ放送における「生態放送」」(『言語と表現―研究論集』第16号、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部、2019年3月、p.5~19)を継承する形で、自然環境のフィクション化と音声メディアの関係について論じた広瀬正浩「環境音を翻訳する――アニメーション『オトッペ』の存在意義」を、『新薩摩学15 古閑章教授退職記念号 文学・語学・歴史・民俗・教育の最前線―これからの学問のエッジを極める―』(刊行日未定、図書出版 南方新社)に寄稿した。 研究成果の報告と社会還元については、本研究に関わる情報提供者からの聴取等を兼ねた講演・シンポジウムとワークショップをそれぞれ開催した。まず講演・シンポジウムは、「音楽する身体の発見 音声合成技術の進化をたどって」(2019年10月25日、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部棟、愛知県名古屋市)で、講師に中部日本放送(CBC)のラジオ編制制作局の安藤美国氏を招き、堀井泉希(椙山女学園大学・学生)に進行を任せて行った。また、ワークショップについては、大学生に参加を呼びかけて、ラジオ番組におけるフィクションの意義を体験的に学ぶ「ラジオ番組企画を作ろう」(2019年11月8日、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部棟、愛知県名古屋市)を開催した。こちらの講師も安藤美国(前出)に依頼し、進行は研究分担者の堀田あけみがおこなった。いずれも多くの参加者に集まりいただき、本研究の社会還元も果たせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年次(2年次)も初年次同様に、ラジオドラマや音声メディアに関する研究の成果として研究論文を執筆することができたし、ラジオ放送に専門的に関わる情報提供者からの調査と研究成果報告等を兼ねた機会を設けることができたので、研究はおおむね順調に進展していると言ってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年と同様に、今年度も音声メディアとフィクションに関係する調査・研究を行いたいと考えている。だが、本報告書執筆現在(2020年5月)、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、大学も不急の立ち入りが禁じられ、図書館等も閉館しており、研究成果を社会に還元する機会を設けることも困難な中、研究活動を円滑に行うことが不可能になっている。この状況において、どのような研究の方法が可能であるのか、現在再構築中である。
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Causes of Carryover |
研究調査を目的とした出張を行う必要性が、2019年度においては生じなかった。また、研究資料等の購入についても、当初予定していたほど行う必要がなかった。2020年度は新型コロナウイルスによる世界的な混乱のため、従来のように研究成果報告会を開催できるか不明であるが、予定通り研究活動を再開することができるようになれば、報告会やワークショップ等を4回程度行いたいと考えているため、そのための講師料(人件費・謝礼)や打ち合わせのための出張の費用として、研究費を利用したい。
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