2020 Fiscal Year Research-status Report
Deconstruction of media art for sensory reintegration by sensory experience of neuro-diversity
Project/Area Number |
18K00244
|
Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
村上 泰介 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 教授 (40410857)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ニューロダイバーシティ / メディアアート / 自閉症スペクトラム |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラムなど発達障がいを、神経学的多様性として捉えるニューロダイバーシティの考え方をもとに、特別支援学校や、福祉施設と共同し多様性の内に見られる違いを超えて相互をつなぐインターフェースとしてのメディアアートの構築を進めてきた。 2020年度は、2019年度に実現できた特別支援学校での授業介入を継続・発展させ、その成果を大型児童館で一般公開することを計画していたが、新型コロナ感染症の拡大によって、対面を伴う研究が困難となったため実現できなかった。そこで、これまでの研究成果を、ニューロダイバーシティの調査を、模倣とメディアアートという視座で分析することを進めた。模倣に着目したのは、自閉症スペクトラムが他者の模倣において、定型発達と呼ばれる人たちとは異なる反応をみせることが第一の理由であり、加えて、模倣と創造の関係を通して、ニューロダイバーシティとメディアアートの関係を捉え直そうとしたためである。 今後は、ニューロダイバーシティの持つ、幅広く人間の神経学的な多様性を認めようとする概念に、模倣という観点からもアプローチを進めたい。 2021年度は、特別支援学校や福祉施設での調査にリモートアクセス環境の導入を模索し、ニューロダイバーシティのオンライン上での表現行為として実現し、その成果を大型児童館での展示による一般公開へと接続することを実現したい。また、一般公開する展示を通して特別支援学校や福祉施設の児童と、大型児童館に集う児童たちの交流を実現させ、その模様を検証したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の拡大によって、特別支援学校や福祉施設での対面による研究活動が困難となり、活動方法を模索してきたが、リモートアクセスへの切り替えなども難しく、新たな研究方法を開発する必要性がある。 また、大型児童館での展示による一般公開の場を活用した研究活動の検証作業も2020年度は実現することができなかったため、当初計画していた研究計画どうりに進めることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は特別支援学校や福祉施設へのリモートアクセスの可能性の模索と、大型児童館などでの一般公開を進める計画である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により、当初計画していた、特別支援学校や福祉施設での調査や、大型児童館での展示による一般公開による検証といった、対面を前提とする研究活動が推進できなかったため、調査にかかる交通費や、現地での展示にかかる材料費や制作費が生じなかったため、次年度に繰り越した。 今後は調査をリモートアクセスに変更したり、制作・発表内容をオンライン対応にしたりするなどして、ニューロダイバーシティの感覚経験をメディアアートの技法によって追体験させる方法論の確立を当初の目標どおり進めていきたい。そのため、次年度以降は新型コロナ感染症の影響下で困難な移動にかかる交通費を、リモートアクセスの実現のために用いて行きたい。
|
Research Products
(4 results)