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2022 Fiscal Year Research-status Report

東アジア地域における昆虫観の科学史的研究

Research Project

Project/Area Number 18K00254
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

保科 英人  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (80334803)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords文化昆虫学 / 科学史 / 昆虫 / 古典 / アニメーション / ゲーム / 新聞記事 / 雑誌記事
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,日本,朝鮮半島,中国,台湾の東アジア各国文化の中における昆虫観を文化昆虫学の手法を用いて異文化比較を行い,科学史的考察によって人々の現在の昆虫への感情がどのように形成されてきたか,そして現代文化や昆虫保護思想にどのような影響を与えているかを調査し,東アジア地域の昆虫観の実態を明らかにすることを目的とする.
令和4年度は国会図書館,京都,大阪,兵庫,名古屋,石川,富山、広島、福岡などの公立図書館、そして同志社大学・富山大学にて,新聞記事や雑誌記事の文献調査を行い,近現代期の人々の昆虫観に関連する資料を収集した.
研究開始時では,収集資料が足りなかった地方都市と昆虫観の資料の調査を継続した.また,令和4年度は,国会図書館と同志社大学で,近代日本の植民地や租借地で発行された諸新聞の調査を重点的に行った.近代期の北陸における大規模なホタル狩りやホタル観賞会は,東京や福岡、名古屋と比較すると,5~6年ほど遅く生まれたことが明らかになった.
さらに,東アジアの南端に近いサイパン島に赴き,同島で見られた昆虫文化の現地調査を行った.アメリカ領であるサイパンは,当然のことながら,町中やショッピングセンターに見られる昆虫モチーフのグッズ類は,アメリカ文化の影響を受けていた.韓国や台湾とは異なり,日本のサブカルチャーの影響は少なかった.
加えて,特撮,短歌,アニメーション,ゲームなどの現代文化に登場する昆虫などを通した,日本人の昆虫観の調査も継続して行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の主な分析対象は,新聞記事,雑誌,未刊行史料などの文献史料である.その収集と分析については予定通りに進んでいる.また,アニメーションやゲームなどの現代サブカルチャーにおける昆虫・クモの登場事例についても,データ収集は進んでいる.しかし,令和3年度と同様,コロナ禍により,予定していた海外出張ができなかった.具体的には中国での現地調査が行えなかった.

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は,前年と同じく生物としての昆虫と,近現代の文学,玩具,絵画等でモチーフとしての昆虫との違いに引き続き着目する.そして,令和2年度より取りかかった近代地方都市のホタル文化について,調査を継続する.地方都市のうち,北陸と広島についてはほぼ調査を終え,北陸については論文という形で発表した.令和5年度は,京阪神,仙台,松山、そして近代期にの日本植民地および租借地の諸都市に関連するホタル資料の収集・分析に努める.
さらに,平成31年度の調査で,近現代の昆虫観が,近世以前の伝統的季節感の影響を強く受けていることが示唆された.そこで,比較考証のため,令和2年度より近世以前の文学作品(たとえば,勅撰和歌集の二十一代集や室町期の御伽草子,近世の大名の随筆など)に登場する昆虫の調査を行っている.令和4年度はその調査を進展させたが,令和4年度もそれを継続する.
令和5年度は中国の上海または広東への出張を行う予定である.コロナの状況を見極めつつ,調査地を決定する,現地にて,昆虫をモチーフとする文房具やアクセサリー,玩具を現地調査し,街中のマンホールや看板などに描かれた昆虫を探索する.
ただし,コロナウイルス感染の危険を避ける必要性から,海外調査の時期については,慎重に判断する.
世界各地の文化昆虫学の文献資料も引き続き収集する.文献資料の分析によって,東アジア地域漢字文化圏の昆虫観の特徴を明らかにする.

Causes of Carryover

海外の出張予定が,コロナウイルス蔓延のために中止せざるを得なかったことで,次年度使用額が生じた.今年度以降,安全が確認されたのち,中国での出張調査を行う.

  • Research Products

    (6 results)

All 2023 2022

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 補遺. 九州帝國大學醫學部と螢養殖研究所2023

    • Author(s)
      保科英人
    • Journal Title

      さやばねニューシリーズ

      Volume: 49 Pages: 14

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 補遺. 近代福岡の螢狩2023

    • Author(s)
      保科英人
    • Journal Title

      さやばねニューシリーズ

      Volume: 49 Pages: 32-34

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 明治・大正時代の夜叉ヶ池探検2023

    • Author(s)
      保科英人
    • Journal Title

      Ciconia

      Volume: 26 Pages: 207-210

  • [Journal Article] 九州帝國大學醫學部と螢養殖研究所2022

    • Author(s)
      保科英人
    • Journal Title

      さやばねニューシリーズ

      Volume: 47 Pages: 40-49

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 近代地方都市の螢狩, (III). 北陸篇2022

    • Author(s)
      保科英人
    • Journal Title

      さやばねニューシリーズ

      Volume: 48 Pages: 1-8

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 近代日本の高級ペットのカジカガエル2022

    • Author(s)
      保科英人
    • Organizer
      生き物文化誌学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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