2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K00300
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
島田 大助 安田女子大学, 文学部, 教授 (50351177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 孝弘 清泉女子大学, 文学部, 教授 (40255956)
山口 満 豊橋創造大学, 経営学部, 教授 (60413762)
藤井 史果 富山大学, 人文学部, 講師 (20828868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 笑話本 / 浮世草子 / 新笑話本書目年表 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、「定本 笑話本・小話本 書目年表(一)(二)」に記載される文化・文政期に刊行された笑話本についての調査を、国文学研究資料館、国立国会図書館、各研究機関のデータベースを利用して行った。また、これらの作業を踏まえて、インターネット上に公開されている画像資料の収集を行った。2020年度までに行った、元和から享和期の笑話本についての追加調査も行った。東京都立中央図書館に所蔵される『夜明茶呑話』(安永4年刊)が、別名の資料であることを確認した。資料収集も行い、残存数が少ないと思われる『はなし』を新たに入手した。2020年度に入手した『軽口笑顔草』については、翻刻および解説を「笑話本『軽口笑顔草』について ―翻刻および解説―」(『鯉城往来』第24号、広島近世文学研究会)として発表した。これらの研究については、島田大助と藤井史果が行った。 浮世草子の笑話性については、井原西鶴、西村市郎右衛門、苗村丈伯、夜食時分、林義端、江島其磧、辻堂兆風子、落月堂操巵、都塵舎雲峰、市中散人祐佐、多田南嶺、高古堂主人、漁柳、鳥飼酔雅、寝惚先生の作品に笑話性があることを確認した。これらの研究については、佐伯孝弘と島田大助が行った。 大韓民国の朝鮮時代に成立・刊行された笑話本について、ソウル大学中央図書館、高麗大学図書館、韓国国立中央図書館などに所蔵される資料を中心に調査を行った。この調査については、海外研究協力者の琴榮辰が行った。 山口満は、「新笑話本書目年表」の公開用Webサーバにおいて、収集したデータに基づきページデザインおよびデータベースの構築を行い、研究成果の一部を公開した。 2021年度は、以上の研究を行った。諸本調査は、今後も作業を継続し、「新笑話本書目年表」の研究成果については、Webページで公開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、「定本 笑話本・小話本 書目年表(一)(二)」に記載される、文化・文政期に刊行された笑話本を中心に、調査・収集を行った。これに併せて、これまで、浮世草子と見なされている諸本の笑話性について検討を行った。資料の紹介については、絵本仕立笑話本『軽口笑顔草』の翻刻を行った。 2021年度中に、文政から弘化に成立・刊行された笑話本について調査を完了する計画であった。新型コロナウィルスの感染拡大により、原本調査などが実施できなかったため、終えることができなかった。大韓民国に所蔵されている資料の調査についても、Webでの調査が中心となった。 文政期まで行った笑話本調査に加え、著書2、翻刻1、研究発表2、「新笑話本書目年表」の一部をWeb公開した成果があったが、「やや遅れていると」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、文政から弘化に刊行された笑話本について、調査・収集を行う。また、2021年度までに行ったものについても追加の調査を行う。刊記未記載により刊年が確定できていない笑話本についての研究を行う。未翻刻の笑話本を翻刻し、公開する。笑話本の調査・収集は、島田大助、佐伯孝弘、藤井史果が行い、笑話本の翻刻は島田大助、藤井史果が行う。 2022年度は、引き続き大韓民国在住の海外研究協力者、琴榮辰の協力を得て、大韓民国に所蔵される笑話本の調査を行う。 浮世草子・滑稽本における笑話性の検討を引き続き行っていく。これは、島田大助、佐伯孝弘、藤井史果が行う。 山口満は「新笑話本書目年表」のWebページでの公開を担当する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、調査のための出張、公開用Webページの内容を検討するために予定していた研究会が中止になり、出張費の支出ができなかった。また、新型コロナウイルスの感染拡大で公開用データを作成する作業ができなかった。そのため、これに宛てる人件費が執行できなかった。2022年度は、2021年度分の予算と合わせて執行し、調査の実施、公開用データ・公開用Webページの作成を行う。
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Research Products
(6 results)