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2022 Fiscal Year Annual Research Report

A Comprehensive Study of the Literature of Saikaku and Other Authors

Research Project

Project/Area Number 18K00332
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

水谷 隆之  立教大学, 文学部, 教授 (60454500)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords日本近世文学 / 浮世草子 / 俳諧 / 西鶴 / 北条団水
Outline of Annual Research Achievements

新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて研究期間を1年延長して実施した今年度(最終年度)は、これまでの調査・研究成果をとりまとめるべく研究を進めた。いまだ十分な資料調査を行い得ない状況にあったため、全ての研究成果を完成、公表するには至らなかったものの、今年度は今後の浮世草子研究を進めるために必要な以下の重要な指摘をすることができた。
従来作者不明とされてきた『寛濶平家物語』(宝永7(1710)年、「八文字屋当左衞門」刊)について精査し、本書が西鶴第一の門人、北条団水による執筆であったことをつきとめた。『好色破邪顕正』『諸宗鉄槌論』『西鶴冥途物語』など、申請者がこれまでに団水作であることを確定してきた作品をも含む団水全作品と『寛濶平家物語』とを比較検討した結果、本書には、本文のみならずそこに用いられた典拠やその利用方法等、多方面において団水作との間に極めて高い一致度が確認され、本書が団水作であることが疑いないことを明らかにしたものである。この研究成果は国際シンポジウム(浮世草子研究会主催「浮世草子に関する国際シンポジウム」)において発表し、完全な賛同を得ている。
ただし、本書の出版元であったと目される菊屋七郎兵衞がなぜ「八文字屋当左衞門」との偽名を用いて出版したのか、現在『好色一代男』の挿絵は西鶴自画とみなされているが、西鶴門人の団水がなぜこの挿絵を謗る記述を当時本書に残したのかなど、なお検討を要する問題が残っている。本報告書冒頭の理由により、これを解明するために必要な調査を十分に行えなかったが、今後上記の問題解明も試みたうえで、近く論文として公表する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「『寛濶平家物語』の作者と宝永の浮世草子出版界ー団水作としての可能性ー」2023

    • Author(s)
      水谷隆之
    • Organizer
      浮世草子研究会主催「浮世草子に関する国際シンポジウム」

URL: 

Published: 2023-12-25  

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