• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

民間情報教育局(CIE)で調査対象となった文芸雑誌・総合雑誌の検閲の国際的研究

Research Project

Project/Area Number 18K00333
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

十重田 裕一  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40237053)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords日本近代文学 / メディア / 検閲 / 文芸雑誌 / 総合雑誌
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、新型コロナ感染拡大で移動が厳しく制限され、国内外の出張がまったくできなかったことで、当初の「研究実施計画」を変更し、関連する研究成果をまとめることに注力した。前年度の2020年2月28・29日に米国コロンビア大学で開催された国際シンポジウム・ワークショップにおける研究成果を編著書としてまとめ、論文を発表した。その編著書はハルオ・シラネ、鈴木登美、小峯和明、十重田裕一 編『〈作者〉とは何か 継承・占有・共同性』(岩波書店、2021年3月、全512頁)で、論文は「「文学の神様」の創造と忘却ーーマスメディアと帝国日本の文学者ーー」(399~417頁)である。本論文では、「研究目的」に掲げた文芸雑誌・総合雑誌に多数の創作を発表し、20世紀前期日本で活躍した横光利一(1898~1947年)を通して、近代日本の文学者がいかに「作者」名を選択していったかについて、また、「作者」のイメージがマス・メディアの発展にともなって創造され、敗戦後のアメリカ軍による占領下で大きく変貌を遂げた様子を考察した。「文学の神様」(横光利一)、「小説の神様」(志賀直哉)、「批評の神様」(小林秀雄)のように、「作者」たちに「神様」の称号を与えたのは政府やアカデミーなどのような機関ではなく、帝国日本の時代のマス・メディアであったことを、イメージや名声は帝国の終焉とともに、さらには、占領下で横光利一が死去したことで忘却されていったことを解明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナ感染拡大で移動が厳しく制限され、国内外の出張がまったくできなかったことで、当初の予定を変更して、今年度は研究成果をまとめることに注力した。その結果、ハルオ シラネ・コロンビア大学教授、鈴木登美・コロンビア大学教授、小峯和明・立教大学名誉教授との編著書『〈作者〉とは何か 継承・占有・共同性』(岩波書店、2021年3月、全512頁)を刊行することができた。国際的に活躍する研究者たちが寄稿した500頁に及ぶ論文集を刊行し、自らも論文「「文学の神様」の創造と忘却ーーマスメディアと帝国日本の文学者ーー」を寄稿したことで、研究はおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今年度も、新型コロナ感染拡大のため、国内外の出張は大幅に制限される様相を呈してきたので、研究の推進方策を大幅に見直すことにした。前年度に引き続き、予定していた国内外の研究出張の多くを中止し、研究テーマに関連する研究成果を発表することに力を注いでいく。具体的には、本研究課題に関連し、学術書と編著書の執筆を中心に研究を進めていく計画を立て、現在も鋭意推進中である。今年度中に、占領期日本における検閲と関連する研究成果を含む学術書一冊、編著書一冊を出版することで、研究成果を公開していく予定である。

Causes of Carryover

新型コロナ感染拡大のため、当初予定していた海外を中心とする研究出張が全くできなくなったことで、年度内の研究費の使用が困難となり、次年度使用額が生じた。今年度も、新型コロナ感染拡大のため、国内外の出張は大幅に制限される様相を呈してきたので、研究の推進方策を大幅に見直し、研究費の使用方法を変えることにした。具体的には、予定していた国内外の研究出張の多くを中止し、研究テーマに関連する研究成果を発表することに力を注ぐことにし、そこに研究費を充てることにする。本研究課題に関連し、学術書と編著書の執筆を中心に研究を進め、今年度中に、占領期日本における検閲と関連する研究成果を含む学術書一冊、編著書一冊を出版することで、研究成果を公開していく予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「文学の神様」の創造と忘却――マスメディアと帝国日本の文学者2021

    • Author(s)
      十重田裕一
    • Journal Title

      〈作者〉とは何か 継承・占有・共同性

      Volume: - Pages: 399-417

  • [Book] 〈作者〉とは何か 継承・占有・共同性2021

    • Author(s)
      ハルオ・シラネ、鈴木登美、小峯和明、十重田裕一
    • Total Pages
      512
    • Publisher
      岩波書店
    • ISBN
      9784000614597

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi