2019 Fiscal Year Research-status Report
日本占領下華北における日本語文学の様相に関する基礎的・発展的研究
Project/Area Number |
18K00335
|
Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
戸塚 麻子 常葉大学, 教育学部, 教授 (10711450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 昌史 滋賀文教短期大学, 国文学科, 教授(移行) (50623873)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 日本占領下華北 / 日中戦争 / 外地メディア / 日本語文学 / 国策 / 東亜新報 / 高木健夫 / 徳光衣城 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度につづき、基礎資料となる『東亜新報』(1944年~1945年)の撮影・保存を行った。夏に上海図書館に出張し、デジタルカメラによる撮影を行った。また、とじ込みやカスレ等により撮影不可能な部分については筆記を行った。(撮影代が高額であることから全撮影は行わず、朝刊・夕刊の各1面と文芸・文化欄を中心に撮影した。ただし、撮影していない部分の文芸・文化関係記事は筆記によって記録した。 『東亜新報』に関連する業績としては、以下のものがある。①神谷昌史編『『東亜新報』関係資料集 ―日本占領下華北の日本語新聞とジャーナリスト』第一巻、金沢文圃閣、2019)、②神谷昌史編・解題『『東亜新報』関係資料集 ―日本占領下華北の日本語新聞とジャーナリスト』別巻、金沢文圃閣 2019) また、夏に北京国家図書館に出張し、『興亜』(華北交通社員会)、『北電』『大陸短歌』所蔵分のすべて、及び『京津事情』の後半を複写することができた。北京外国語大学秦剛教授の協力を得て、『大陸短歌』の北京国家図書館未所蔵分を入手することもできた。以上に日本国内の資料を加えて細目を作成し、解題や論考を付して公表した。 関連する業績は以下の通りである。①戸塚麻子「日中戦争下天津の綜合雑誌『京津事情』について 付・細目(一)」(『常葉大学教育学部紀要』第40号、2020)、②戸塚麻子「日中戦争下における青島の日本語文芸誌 付・『基地』『大陸短歌』『錨地』『廟』細目」『常葉大学外国語学部紀要』第36号、2020)、③神谷昌史・戸塚麻子「『興亜』(華北交通社員会)解題・細目(一)」(『滋賀文教短期大学紀要 』第22号、2020) その他、論文1件、口頭発表1件を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は『東亜新報』の撮影と筆記を完了した。当初の予定では2020年度までかけて撮影する予定だったことを思えば、かなり順調に進んでいるといえる。(なお、欠号が多く、1号あたりの頁数が減っていたとはいえ、紙質が悪く撮影にやや時間を要した。)また、北京国家図書館にて『興亜』(華北交通社員会)、『北電』『大陸短歌』『京津事情』を入手することができた。国内所蔵分も含め、資料収集に関しては順調に進展しているといえる。 論文については、華北全体の日本語メディアの状況をおさえるため、北京以外の地域の研究を優先的に行い、成果を出すことができた。だが、それらに時間を割いたため、当該年度は「『東亜新報』文芸記事細目」(仮題)の作業を進めることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の計画であるが、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況にある。 まずは当初の計画通り「『東亜新報』文芸記事細目」(仮題)の作業を進める。また、『京津事情』の細目の続きを作成する。 加えて、既に収集した資料のうち、資料的価値の高いものについては、資料公開を視野に入れてデータ化作業を行いたい。 2020年度中に中国出張が可能となれば、中国での資料調査を行う。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、春期(2~3月)の中国出張ができなくなった。加えて国内出張も不可能になったため。
|
Research Products
(7 results)