2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and evaluation of Orikuchi Shinobu former storage material for literature study and material studies of contemporary literature utilizing the results
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18K00342
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 博明 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 教授 (20310146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 則夫 國學院大學, 文学部, 教授 (10286669)
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
庄司 達也 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 教授 (60275998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 折口信夫資料 / 資料調査研究 / データベース / 近代文学 / 同時代研究 / 羽咋市 |
Outline of Annual Research Achievements |
折口信夫受け取り書簡データベースについて、実際の書簡を複写したものと突合しながら、補訂を行った。修正・補訂には研究分担者の大学の学生に従事させ、昭和4年、5年について補訂修正を完了した。また書簡複写(製本済み)の副本を作成し番号付けをして、資料の保存補強を行った。この方法を、改めて2年分に適応して実施する。 2018年11月3日に八木書店において資料読解に関する研究会を開催、資料研究調査に見識を持つ鈴木暁世(金沢大学)、片山宏行(青山学院大学)、小澤純(慶応志木高校)の3氏に参加を依頼、20名の参加者とともに活発な議論を行った。 折口信夫自筆原稿(國學院大學、慶應義塾大学蔵)の基本データベースの修正を行い、解読を終えた自筆原稿(断片、ノート、草稿など含む)についてはほぼその目録化を終了した。今後は微調整を行い、公開に向けての準備と検討を進める。 「折口信夫手帳」の解読を進め、その外形的把握を行った後、エクセルに基本データとして入力した。今後は学生を使って、解読済み手帳のデータ入力を行う。また石川県羽咋市から依頼を受けた折口信夫の養子折口春洋が実家に残した資料の解読と整理を進めた。 こうした実績を踏まえて、庄司達也は「薄田泣菫読本」、『「近代文学」第100冊別冊 近代文学における〈資料〉の活用』編集に際するアンケート調査にその方法、成果を活用、また北区の「芥川記念館検討委員会」の計画の在り方について、本科研費の成果を活用している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
折口信夫にかかわる資料が膨大かつ多岐にわたるため、またデータベース作成も行うという間違いの許されない事案であるために、本件研究調査には多くの研究協力者や専門性を持ったアルバイトの協力が必要である。しかし勤務する大学の学務等の業務が日常的に増加していること、協力を求める学生が属する学部学科の専門性の問題などから、研究代表者および一部の研究分担者において、こうした協力をなかなか得られない事態がある。その結果マンパワーが常態的に不足している。こうした事態を解決するために、できるだけ専門性を持つ協力者を見出し、協力を仰ぐことが大切と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
國學院大學多摩プラザキャンパスに保存されている「折口文庫」(折口信夫旧蔵図書・逐次刊行物等)の中から、すでに調査されている「加筆」が施されている資料を分類して別置、その内容を記録する。現在作成中の書簡データベース(第1次データ)から読み取れる、同時代文学関係者とのかかわりを総合的に分析して把握する。 研究会、勉強会を随時開催して、今までの成果を公開するとともに、外部研究者の様々な意見を募って、今後の調査研究方法に資する。 「折口信夫手帳」データベースの骨格を仕上げ、学生を使ってその内容入力、「折口信夫手帳データベース」を完成する。¥そのほか手元にある折口信夫に係る雑資料の基本整理を行い、それをもとに同時代文学者とのかかわりを調査して記録する。 課題については、國學院大學折口博士古代研究所の資料室内閲覧に係る協力が万全でないことがあげられる。これについては、今後國學院大學当局と建設的な話し合いを続け、万全な研究体制を再構築できるよう努力しなければならない。
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Causes of Carryover |
研究代表者および一部の研究分担者において、専門知識を持ったアルバイトの協力をなかなか得られない事態がある。その結果マンパワーが常態的に不足している。こうした事態を解決するために、できるだけ専門性を持つ協力者を見出し、協力を仰ぐことで、適切な執行が行えるようにすることが大切と考える。また事情によって停滞していた「折口文庫」内の調査についても、2019年度から実施が可能であるため、その分の執行が適切に行われるものと考える。
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Research Products
(2 results)