2021 Fiscal Year Annual Research Report
Sociocultural Study on Representation of boy and girl :Foncusing on Children's Magazines in the Republic of China period
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18K00357
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐々木 睦 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (20315732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加部 勇一郎 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (30553044)
上原 かおり (関野かおり) 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (30815478)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 児童 / 少年 / 少女 / 雑誌 / 戦争 / 児童表象 / 図像学 / 漫画 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度ということで総括的な事業を行なった。定例の研究会(中国空想メディア研究会)をオンラインによる公開形式で開催し、研究代表者及び研究分担者が「少年」「少女」研究の総括的報告を行なった。研究会に併せて、2021年度総会を行なった(研究代表者、研究分担者のみ参加)。 メンバーによる研究発表は雑誌論文が4点、図書1点、口頭発表が3点(研究発表の項参照)。また最終年度に当たり、成果発信事業として、主として研究期間内に発表した論文6点を中国語訳し、『中国空想媒体研究会翻訳論文集』を刊行した。 第12回中国空想メディア研究会/2022年3月9日/オンライン開催(事務局は東京都立大学中国文学演習室に設置)。佐々木睦(研究代表者)「民国期少女ブームの幻を追う」、加部勇一郎(研究分担者)「怒れる少年 ──張楽平『二娃子』を読む」、上原かおり(研究分担者)「開明書店における「新少年」イメージ──茅盾「少年印刷工」を手がかりに」、米井由美(文化学園大学)「民国期の少女文化における〈モダン・ボーイ〉表象」。 研究代表者・佐々木睦の論文「児童雑誌と戦争──『児童世界』を中心に 附:『児童世界』戦争関連記事目録(新1号~新30号)」は、第一次上海事変後の『児童世界』誌(商務印書館)掲載の読物が、戦前の空想的物語から、現実とリンクし、「団結」「抵抗」を読者に呼びかける内容へと変化したこと、作文募集・絵画募集等の応募企画を通じて統制を加えていること、さらに国防特集号が出されるなど、『児童世界』が戦時下における〈愛国少年〉向けプロパガンダ雑誌へと組み替えられていく過程を具体的な記事に基づき指摘した。また毎号掲載された読者の作文投稿は、戦争の記憶を読み解く上での貴重な資料であることも確認したが、一方で有名作品の模倣ではないかと疑われる例もあり、これらを資料として扱う上での危険性も同時に存在することを指摘した。
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Research Products
(8 results)