2020 Fiscal Year Research-status Report
Geographical Imagination in English Novels--Migration and Geopolitics
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18K00371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 典之 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50172937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サミュエル・ジョンソン / 旅行文学 / 移民文学 / ジャマイカ / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナ禍で海外での調査が行えなかった。主にこれまでに収集した文献の研究を行った。1720年に出版されたW.Pという匿名の作家によるThe Jamaica Lady or The Life of Baviaが特に科学研究費の研究にはふさわしい題材であった。Pamelaに登場する、Mr.Bのもと恋人のSally Godfreyが恋破れた後にジャマイカに渡ることが典型的に表すように、18世紀イギリスにおいて、女性の逃避するhavenとしてジャマイカが表象される場合が多く、この小説も典型的なエピソードを持っている。 2019年の日本英文学会でのシンポジウムを論文とする作業を行った。『冒険の残滓』というシンポであり、『ロビンソン・クルーソー』出版の300周年記念シンポジウムであり、服部は「浜辺の想念ーークルーソーの垂直的冒険」という発表であり、これを基に論文を執筆した。出版は2022年となる予定である。 出版活動としては、アメリカのBSECS学会のシンポジウムで発表した内容を基にした論文がアメリカのバックネル大学出版局から出版された。日本における18世紀研究を広く世界的に知らしめる書物を出すことが出来たことは大きな成果であった。研究者・服部典之はその中の第七章「Abyssinian Johnson」を執筆した。この本が出版されるまで、数回の査読が入り、私の論文も推敲を重ねて、より充実した内容となったと自負できる。 コロナ禍で海外出張ができなかっため、当初計画を達成することができなかったので、研究を一年延長することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は英語論文をアメリカの出版局から出版できた点で、極めて大きな成果が挙がった。ただ、コロナ禍で海外出張で学会発表や文献収集・調査ができなかったことを考えると、計画以上に進捗しているとは言えないため、この区分となった。
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Strategy for Future Research Activity |
延長した1年間で、日本英文学会やアメリカのBSECS学会で成果を発表する計画である。イギリスでの関連調査も完成させたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍のため、海外出張で学会発表や資料収集・調査が行えなかったためである。次年度の使用計画としては、コロナ禍が収まった場合、海外出張により、まだ収集できていない研究課題の資料を収集したり、国際学会BSECSでの発表を考えている。もしコロナ禍が収まらない場合、国内出張を行い、研究課題に関する議論を各地の研究者と行ったり、国会図書館などでの資料収集に充てる予定である。海外から研究課題に関する資料を取り寄せることも考えている。
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Research Products
(1 results)