2020 Fiscal Year Research-status Report
Intimacy between Women in African Novels
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18K00373
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大池 真知子 広島大学, ダイバーシティ研究センター, 教授 (90313395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフリカ / セクシュアリティ / 親密 / 文学 / 小説 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.国内で収集可能な資料を読み込んだ。その結果、女性同士だけでなく、禁じられた関係の中で親密さが共有されるモチーフが散見された。たとえば以下のとおりである。(1)ヘテロセクシュアルな女性同士のあいだで、幼少期の身体的、感覚的な快楽、親密さが共有される(Jennifer Nansubuga Makumbi, A Girl is a Body of Water, 2020, ウガンダ)(2)レズビアンとトランス・ホモセクシュアル男性のあいだで、性的欲望以前の親密さが共有される(Akwaeke Emeze, The Death of Vivek Oji, 2020, ナイジェリア)(3)姉弟のあいだで、性的欲望以前の親密さが共有される(Sulaiman Addonia, Silence is My Mother Tongue, 2018,エリトリアとエチオピア)(4)母と息子代わりの男性のあいだで、欲望と親密さが共有される(Abubakar Adam Ibrahim, Season of Crimson Blossoms, 2016 ナイジェリア) 2.一方で、親密な関係が、上位の誰かにコントロールされているという感覚も散見された。(1)主人公、夫、夫の恋人の三角関係は、夫の母親にコントロールされていたとわかる( Peace Adzo Medie, His Only Wife, 2020, ガーナ)(2)主人公、夫、夫の弟の三角関係は、夫にコントロールされていたとわかる(Ayobami Adebayo, Stay with Me, 2017 ナイジェリア) 3.親密さが関係の中で重要視されており、それが肯定的にも否定的にも、パワーの源泉となっているのは明らかである。そこにどのようなアフリカ的な特徴があるのか、また、ここ数年の表象の特徴はどこにあるのかは、明らかでない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、海外での資料収集ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)国内で収集できる資料を収集し、分析を進める。作品をマッピングするとともに、論文にできるよう作品を精読する。 (2)日本のセクシュアリティについて調査をし、比較を行う視点を得る。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大により、海外調査に行くことができないため。国内で収集できる資料で作品分析を進めるとともに、国内での調査を実施し、比較研究を行う。
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