2021 Fiscal Year Research-status Report
Antiquarianism and British Romantic Literature and Culture
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18K00379
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 雅之 宮城学院女子大学, 付置研究所, 研究員 (50091195)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 古事物愛好主義 / 古代ブリトン人 / アーサー王 / 起源 / アナロジー思考 / エイヴベリー / スヴェーデンボリ / フーコー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き今年度もイギリス・ロマン主義時代の古事物愛好主義的言説を──1.古代ブリトン人、2.ドルイド教、ストーンヘンジ、3.ウェールズにおける古詩とバードの伝統、ケルト民族起源論、4.古代神話論、思弁的神話作家、オシアン現象、5.地方誌等──に分類し、その政治的・歴史的・宗教的背景を明らかにする作業を継続した。これらの項目は言うまでもなく密接な相互依存関係にある。この時代に広く読まれた多様な言説を精読し、当時の一筋縄ではいかない複雑な「古代」観の整理を継続した。古代ブリテン時代のドルイド教とキリスト教の複雑な関係を探るには、古代ブリテンにおけるドルイド教とユダヤ教とキリスト教の起源を絡ませて考察することが必要だ。『エルサレム』に組み込まれることになるブレイク個展作品のひとつ《古代ブリトン人》と題された歴史画をとりあげ、この絵画にブレイクが付した長い作品解説・作品描写を精読し、ブレイク独特の古代ブリトン人観を明らかにした。ブレイクの古代観やブレイクの宗教を論じる際に欠かせないのがスウェーデンの神秘思想家エマヌエル・スヴェーデンボリである。18世紀後半から19世紀半ばにかけて、ヨーロッパのみならず大西洋の両岸において広く受容されたスヴェーデンボリの『天界と地獄』(1778)、『神の摂理に関する天使の智恵』(1790)等のブレイクへの影響とブレイクの宗教観を探り、日本における傑出したスヴェーデンボリ研究者でもあった鈴木大拙との比較宗教的研究を行った。コロナ禍にあるため、イギリスへ資料収集に出かけ文献の充実をはかることはできなかったが、オンラインによる関連学会等に出席しまた研究発表を行い情報の蒐集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 「おおむね順調に進展している」と「おおむね」としたのは、新型コロナウィルスが未だに世界に蔓延しているからである。そのため昨年度末に予定していた海外出張もまた国国内の移動もすべてキャンセルを余儀なくされたことから、思うような研究活動を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
古事物愛好主義的言説項目の広範囲にわたる影響および内的関連性を、横断領域的にイギリス・ロマン主義時代の文学・文化の諸領域に探り考察を深めることを継続する。昨年度入手できなかった文献や図版を入手し古事物愛好主義と視覚文化との関係を解読する研究作業を継続する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのため、国外はもとより国内の移動や学会がすべて中止になったことから次年度使用額が生じた。コロナウイルス感染が収まれば本年度予定していた国内および海外での研究活動が可能となると予想される。
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Research Products
(3 results)