2022 Fiscal Year Annual Research Report
An Analysis of Women's Strategic Discourses in the American Renaissance
Project/Area Number |
18K00385
|
Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
伊藤 淑子 大正大学, 文学部, 教授 (50223201)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | マーガレット・フラー / フェミニズム / 19世紀女性作家 |
Outline of Annual Research Achievements |
思うように研究に注力できない状況が続き、研究期間の延長も行い、ペースを取り戻すことに努めた。2019年に日本ナサニエル・ホーソーン協会で行ったシンポジウムは作家をとりまく金銭的な問題から文学的テーマの広がりを考察してみようという企画であったが、このシンポジウムから生まれた書籍『19世紀アメリカ作家たちとエコノミー』を、さらに多くの論考を得て、議論を拡大して2023年2月に刊行することができた。経済という視点から文学を考えるという試みは、新たな文学研究の見る機会となった。 本研究において、マーレット・フラーに焦点をあてて研究を進めた。メーガン・マーシャルによる伝記を訳し終えたことと、日本アメリカ文学会東京支部で「「作家のキャリア」を研究すること──現在地とこれから」において「超絶主義を超絶するフラーのキャリア」と題する発表を行ったことが主とした成果である。マーガレット・フラーと同時期の女性作家については、キャリライン・スタージスとリディア・マライア・チャイルドを中心に作品を読みすすめ、研究会で発表した。 計画していた海外での発表を取りやめなければならなくなるなど、発表の機会は限定されたが、本研究において得られた成果をさらに発展させて、すでにスタートしているつぎの研究プロジェクトに19世紀女性作家の戦略的言説という観点を継承し、社会的環境とそれに応えつつ抵抗し主張する女性作家の文学的表現を考察していきたいと考えている。
|
Research Products
(3 results)