2018 Fiscal Year Research-status Report
文筆家としてのコールリッジのプロフェッショナリズム--文学・哲学講演と後期の著作
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18K00402
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
園田 暁子 福岡大学, 人文学部, 教授 (00434564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コールリッジ / ロマン主義 / 講演 |
Outline of Annual Research Achievements |
S.T.コールリッジの功績の中でも、これまで比較的看過されてきた1808年以降の文学・哲学・教育・宗教の問題を扱った講演活動が、1810年代半ば以降に出版された作品の創作過程において重要な役割を果たしていること、そして、それらの講演が彼のキリスト教哲学に裏打ちされ、後世にも広範な影響を持った後期の社会批評に結びついていることを明らかにし、コールリッジの功績の再評価に取り組むことが本研究の目的である。 初年度である平成30年度は、1816年と1817年の『政治家必携の書』と『平信徒の説教』を対象として、1808年以降の講演がそれらの作品にどのようにつながっているかについて研究を行った。コールリッジが、キリスト教が示す世界と現実の社会との関連について語る必要性を感じたナポレオン戦争終結後の社会的・文化的背景にこれらの作品を置くとともに、1813年のシェイクスピアと教育についての講演、1814年4月のフランス革命とナポレオンについての講演とこれらの作品との関係について考察している。また、『省察への導き』において論じられた「省察」の意義とあるべき姿が、すでに、「エオリアン・ハープ」をはじめとするコールリッジの初期の詩作品において表現されていたことを論じる口頭発表「コールリッジの詩における光と音の反射と省察」を日本英文学会の九州支部大会(平成30年10月20日)で行い、本発表に基づいた論文を投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた作品の分析を行うとともに、当初予想していたよりもコールリッジの後期の思想を理解するうえで重要な作品であると考えられる『省察への導き』(主に2020年度に予定)の研究も開始できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、1817年の『文学的自叙伝』に焦点をあて、詩と趣味についての講演(1808年1月~6月)、シェイクスピアとミルトンについての講演(1811年11月~1812年、1812年11月~1813年1月、1814年4月)をはじめとするコールリッジの文学講演との関係を明らかにすることを目的として研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度は、ブリティッシュ・ライブラリーでの文献調査を予定していたが、大学の業務等との兼合いで渡航できなかったため、購入できる文献については購入する形で研究を行った。繰り越しとなった旅費については2019年度の文献調査の際に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)