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2020 Fiscal Year Research-status Report

文筆家としてのコールリッジのプロフェッショナリズム--文学・哲学講演と後期の著作

Research Project

Project/Area Number 18K00402
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

園田 暁子  福岡大学, 人文学部, 教授 (00434564)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsコールリッジ / 講演
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、コールリッジの晩年の作品であり、彼の思想が最も包括的な形で表明されている『省察への導き(Aids to Reflection, 1825, 1831)』と『教会と国家の構成について(On the Constitution of the Church and State, 1829, 1830)』を対象に、コールリッジの理性論と信仰の関係についての思想の形成過程において講演が果たした役割について研究を行った。
1818年の哲学講演、文学講演のためにコールリッジが残したノート・ブック、書簡、書物への書き込みを参照しながら、それらと講演が、この後期の二つの著作へと発展していく過程について確認した。書籍の読者ではなく、目の前にいる聴衆に向けて講演を行うという機会が、コールリッジにとって信仰についての哲学的考察の機会となっただけではなく、聴衆の反応を直接感じることができたという点においても、その後の執筆に与えた影響は、予想していたよりも大きいと考えられるので、その点に着目して2021年度も研究を進めていきたいと考えている。
講演が行われた場所や会場のサイズなどについても念頭において研究を行いたいと考え、当初は、コールリッジが講演を行った会場を現地で確認しようと考えていたが、コロナの流行のためにそれはかなわなかった。その分、コールリッジの著作のスタンダード・エディションを検索性に優れた電子書籍版で購入し、当時の状況をより詳細に把握するために19世紀の宗教、哲学、社会に関する研究書も、コールリッジを対象とした研究書とあわせて購入した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コロナの影響で、例年よりも授業の準備等に時間と労力を使ったため、予定よりも若干遅れているように思われる部分もあるが、2021年度にその分も補って研究を行っていくことができると考えられるため。

Strategy for Future Research Activity

最終年度の2021年度はこれまでの研究を総括し、コールリッジが一貫して持ち続けた神の声を伝え、文学、科学、哲学という諸科学を統括する存在としての天職意識と、書籍の出版や講演活動などの文学の商業活動としての側面との間で感じた葛藤が、実は執筆への原動力となり、文学者としての存在意義や同時代と未来の読者に向けてなすべき仕事についての本質的な問いの深化に寄与したのではという本研究の仮説を検証していく。

Causes of Carryover

コロナの影響で、イギリスで行おうと思っていた現地調査と文献調査を実施出来なかったために次年度使用額が生じた。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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